【高校ラグビー】大畑大介氏が準決勝の展望&注目選手を解説 桐蔭対決、九州対決どうなる?

2024年01月05日 11:00

ラグビー

【高校ラグビー】大畑大介氏が準決勝の展望&注目選手を解説 桐蔭対決、九州対決どうなる?
(左から)桐蔭学園・白井、大阪桐蔭・西野、佐賀工・井上、東福岡・松崎 Photo By スポニチ
 第103回全国高校ラグビー大会はきょう5日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で準決勝が行われる。昨春の選抜大会を制した桐蔭学園(神奈川)は大阪桐蔭(大阪第2)と、初制覇を狙う佐賀工(佐賀)は前回優勝の東福岡(福岡)と対戦する。テストマッチ通算69トライの世界記録を持ち、日本人2人目のワールドラグビー殿堂入りも果たした大畑大介氏(48)が準決勝を展望し、注目選手を挙げた。 (取材・構成 吉仲 博幸)
 【桐蔭学園×大阪桐蔭】桐蔭学園は選抜王者らしく攻守にバランスが良く、個の力も突出している。昨年度は県大会決勝で東海大相模に敗れて花園出場は逃したが、その分、新チームのスタートが早く、しっかりチームをつくってきた印象だ。

 準々決勝の東海大大阪仰星戦はDG2本を決めて常にセーフティーリードを保つ、したたかさも光った。攻撃のバリエーションも豊富だ。注目したいのはランニングスキルの高いCTB白井。彼がボールを持つと、リズムと勢いが加速する。

 やや劣勢の大阪桐蔭が勝機を見いだすとすれば、フィジカルの部分だ。相手は大きくボールを動かしてくる。ディフェンスで我慢を重ね、強みのブレークダウンで反則を誘発できれば、チャンスは生まれる。準々決勝は苦しい時間帯でも体を張り、強みのFWでトライを取り切った。桐蔭学園は準々決勝でラインアウトの精度が低く、ミスもあった。つけいる隙は十分ある。

 大阪桐蔭はフィジカルの強さを前面に出して一気にトライまで持っていける爆発的な力を秘める。その象徴的な選手がフッカーの西野だ。準々決勝で全3トライを奪うなど今大会7トライ。帝京大で主将を務めるOBの江良颯選手に似ていて、前に出る推進力とドライブする力もある。序盤から勢いをすべてぶつけて先制したい。

 【佐賀工×東福岡】ともにAシードの九州勢対決は熱戦になりそうだ。佐賀工と東福岡の両校は今年度、紙一重の接戦を演じてきた。佐賀工は昨年6月の九州大会決勝、単独チームで乗り込んだ昨年10月の国体決勝で東福岡の選手が主体となった福岡にいずれも1点差で敗れている。

 佐賀工のキーマンはハーフ団。とりわけ、SH井上は特筆に値する選手だ。左足のプレースキックは正確で、ロングキックも精度が高い。もともとFBの選手とあって、視野も広く、試合の組み立てもうまい。蹴ってよし、走ってよし、仕掛けてよしの超攻撃型SHで、今大会No・1選手と言っていい。キックでいかに東福岡のFWを下げることができるか。昨夏の7人制大会を制したように、ランスキルの高い選手がそろっており、スペースがあれば一気にトライまで持っていける。

 高校日本代表候補12人を擁する東福岡は、攻守で体を張れるフランカー松崎がすばらしい。佐賀工ハーフ団にいかにプレッシャーをかけることができるか。勝敗を分けるポイントの一つになる。タレント軍団の中でも密集での献身的な働きぶりは一番。派手で強くてうまい選手ばかりが目立つが、彼がいるからこそ。ボールキャリアーとしても前に出ることができる、頼もしい選手だ。

 ◇白井 瑛人(しらい・えいと)2005年(平17)10月22日生まれの18歳。グリーンクラブRSで競技を始める。50メートル走6秒1。高校日本代表候補。目標の選手はOBで兄の吾士矛。CTB。1メートル77、82キロ。

 ◇西野 陽(にしの・よう)2005年(平17)7月1日生まれの18歳。茨田北中で競技を始める。50メートル走6秒5。目標の選手は大阪桐蔭出身で帝京大主将のフッカー江良颯。フッカー。1メートル67、88キロ。

 ◇井上 達木(いのうえ・たつき)2005年(平17)8月16日生まれの18歳。帆柱ヤングラガーズで競技を始める。50メートル走6秒3。高校日本代表候補。目標の選手は明大の伊藤利江人。SH。1メートル73、72キロ。

 ◇松崎 天晴(まつざき・てんせい)2005年(平17)12月4日生まれの18歳。春日リトルラガーズクラブで競技を始める。50メートル走6秒5。高校日本代表候補。目標の選手は静岡のクワッガ・スミス。フランカー。1メートル73、90キロ。

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