尊富士 110年ぶり新入幕V王手 朝稽古休んで敗戦切り替え

2024年03月23日 04:43

相撲

尊富士 110年ぶり新入幕V王手 朝稽古休んで敗戦切り替え
尊富士(左)が寄り切りで若元春を破る Photo By 共同
 【大相撲春場所13日目 ( 2024年3月22日    エディオンアリーナ大阪 )】 尊富士が関脇・若元春を寄り切り、12勝目を挙げ、1914年夏場所の両国以来110年ぶりとなる新入幕優勝に王手をかけた。13日目を終えて2差単独首位の力士が優勝を逃した例は過去にない。圧倒的有利な状況で迎える14日目、朝乃山に勝てば初優勝が決まる。敗れても、2差で追う3敗の大関・豊昇龍と平幕・大の里がともに敗れれば優勝。歴史的偉業がついに現実のものとなる。
 尊富士の出足は、とどまる所を知らない。立ち合い鋭く踏み込んで前に出ると、相手得意の左を差された。それでも攻め手は休めず、左からすくって右を巻き替えてもろ差しで一気の寄り。「少しでも止まったら絶対勝てない。とにかく自分から」と流れるような速攻で関脇を圧倒した。

 前日は初黒星を喫し、新入幕初日から12連勝という大鵬超えの新記録を樹立できず。この日は今場所初めて朝稽古を休んだ。「全身つっていた。精神的にも(疲れが)きていたのかな。一応僕も人間なので」。まだ関取2場所目で15日間の戦いにも慣れておらず「緊張したことない」と豪語する若武者にも重圧が少なからずあったようだ。それでも「次の日の相撲に影響してはよくない。何も考えずに自分を信じてやるしかない」と一切引きずらず気持ちを切り替えられた。

 横綱からのエールも力になった。前日の夜、今場所を途中休場して現在東京で治療中の照ノ富士からアドバイスを受けたという。「上位陣は立ち合いだけでは通用しない。とにかく相手の体勢を崩すこと」。突然の電話に驚きながらも「切り替えようと、自分に集中しようと思った」と気合が入った。

 14日目、朝乃山に勝てば3敗勢の勝敗にかかわらず優勝が決まる。13日目を終えて2差単独首位の状況から逆転優勝を許した例は過去に一度もなく、データ上では優勝確率100%と言える。幕下付け出しも含めた初優勝の最速記録は、初土俵から15場所目で賜杯を抱いた1972年夏場所の輪島。前相撲からスタートして所要10場所目の新星が、日大の大先輩でもある偉大な横綱の記録を塗り替えることになる。記録ずくめの初優勝へ、歴史の扉を開く。

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