【玉ノ井親方 視点】尊富士が負傷で千秋楽出場が微妙に「無理して取り返しのつかないことになっても」

2024年03月23日 19:52

相撲

【玉ノ井親方 視点】尊富士が負傷で千秋楽出場が微妙に「無理して取り返しのつかないことになっても」
<大相撲春場所14日目>右足に包帯を巻き車イスで運ばれる尊富士 Photo By 代表撮影
 【大相撲春場所14日目   ○朝乃山(寄り切り)尊富士●  ○大の里(はたき込み)阿炎● ( 2024年3月23日    エディオンアリーナ大阪 )】 荒れる春場所と言われるが、それ以上の大荒れの展開になった。
 尊富士が朝乃山戦で右足首を痛め千秋楽の出場が分からなくなった。

 右四つに組む形になって横に振られた時に足首の関節を捻る形になってしまったようだ。

 花道を引き揚げるときに1人では歩けず、付け人の肩を借りた。そのまま救急車で病院に運ばれたようだが、ああいう形でケガをする時はひどい状態になってしまっていることもある。本人とすれば何としても千秋楽の土俵に上がりたいだろう。しかし、無理をして取り返しのつかないことになってもいけない。

 朝乃山との一番は立ち合いがすべてだった。相手に右を差され、四つに組んで胸を合わせたところで勝負ありだった。今場所、尊富士が勝った相撲は左を差して相手にまわしを許さず一気に土俵の外まで持っていくのが必勝パターンだった。唯一、敗れたのは、右を抱え込まれ投げられた豊昇龍戦だけ。今場所、上位とは組んで取る相撲がなかっただけに、朝乃山にそこをうまく取られた。

 朝乃山にすれば優勝経験のある元大関として絶対に負けられないという意識があったと思う。左四つの尊富士とケンカ四つになることを予想して、立ち合いで右を差すことだけに神経を集中させ右脇をしめて、左胸から当たるようにして尊富士の左差しを防いだ。それが見事に成功した。

 大の里が阿炎をはたき込んで勝ち、2差で追走していた豊昇龍が破れ賜杯争いは尊富士と大の里の平幕2人に絞られた。

 尊富士が千秋楽の土俵に上がることができず、大の里が千秋楽に勝てば決定戦が成立しないので大の里の優勝となる。逆に敗れれば尊富士が優勝となる。いずれにしろ場所前には誰も予想できなかった結末を迎えることになる。(元大関・栃東)

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