ラソーダ氏 野茂の殿堂入り強力援護

2008年07月19日 06:00

野球

ラソーダ氏 野茂の殿堂入り強力援護
野茂英雄投手の現役引退表明を受け、ドジャースタジアムで記者会見するラソーダ氏
 ドジャースの球団顧問を務めるトミー・ラソーダ元監督(80)が17日(日本時間18日)、かつての教え子、野茂英雄投手(39)の野球殿堂入りへ強力援護を約束した。ドジャースタジアム内の球団事務所で会見に臨んだ同氏は野茂の両リーグでのノーヒットノーラン達成などのインパクトを評価。自らも選出された米殿堂入りへ“PR活動”を買って出る考えを示した。
 可愛い教え子の引退決意に、いてもたってもいられなかった。ラソーダ氏は野茂の日本人初となる殿堂入りの話題になると、言葉に力を込めた。

 「野茂は殿堂入りの有力候補になる。日本選手に道を開いただけでなく、ほとんどの人がやっていない偉業を成し遂げた。両リーグでのノーヒットノーラン達成だ。本当にセンセーショナルな選手だった」

 最近でも通算254勝でワールドシリーズMVP経験のあるジャック・モリスが選出に必要な75%の得票を得られないほど「野球殿堂」は狭き門だ。メジャー通算123勝の野茂も厳しい状況ではあるが、ラソーダ氏は「殿堂入りしたコーファックス(元ドジャース)も200勝に届かなかった(通算165勝)」と力説。さらに「野茂のノーヒットノーランのひとつは(打者有利の)クアーズ・フィールドだ」と衝撃度を強調した。さらに「殿堂入りしているメンバーにも野茂のことを話していく」とPR活動を宣言。15日の球宴セレモニー参加から2日。80歳の体にはつらい東海岸から西海岸への過酷な移動もありながら開いた会見は、実際に投票を行う記者への訴えでもあった。

 ドジャースの地元紙ロサンゼルス・タイムズ紙は「ノーモア・ノモ(野茂はもう見られない)」と惜別記事を掲載。AP通信も95年の「野茂マニア」が社会現象になったことなどを紹介した。全米でも野茂引退の衝撃は走っている。97年に殿堂入りしたラソーダ氏の援護は引退から5年経過後に始まる野茂の殿堂入り投票に追い風になるのは間違いない。

 「私は彼を息子のように思ったし、彼にも“オレはアメリカでの父親だ”と伝えてきた。いつも馬車馬のように投げ続けてくれて誇りに思う」とラソーダ氏。野茂への愛情は監督と選手以上のものになっている。

 ≪ドジャースでの引退セレモニーに乗り気≫ラソーダ氏はさらに野茂の引退セレモニーについて「いいアイデアだ。ドジャース(幹部)に話してみる」と語った。大リーグではマイナーも含め10球団に所属した野茂だが、ドジャースは近鉄の5年よりも長い7シーズン在籍して81勝を挙げた。「野茂マニアはどこに行っても集まってきたし、特にロサンゼルスでの騒動は凄かった」とラソーダ氏。野茂の貢献度を考慮し、セレモニーの検討も行われることになりそうだ。

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