岡田監督「任せた」球児2年連続30S

2008年07月19日 06:00

野球

岡田監督「任せた」球児2年連続30S
<中・神>9回2死、一、三塁のピンチにマウンドの藤川のもとへ駆けつけた岡田監督
 【阪神2-1中日】阪神・藤川の視界の隅には、ベンチを飛び出す指揮官の姿が映っていた。1点リードの9回2死一、三塁。落合監督が代打・立浪を告げると、マウンドにやってきた岡田監督から激励された。守護神は落ち着きを失うことなく、立浪へこん身の直球勝負。最後は投ゴロに仕留め、2年連続となる30セーブ目で試合を締めた。
 「びっくりしたけど、すごくうれしかった。(岡田監督からは)“同点も逆転も一緒。お前に任せた”と言ってくれた。ああせえ、こうせえじゃなく“任せた”と。それがうれしかった」

 矢野との“五輪バッテリー”で勝利を手にした。「(立浪を)歩かせようかな、というのも頭にあった。でも(監督が)出てきて(敬遠を)やめた」。弱気の虫が騒ぎそうになっても、指揮官の言葉を胸に矢野のミットだけを見つめてボールを投げ込んだ。昨年12月のアジア最終予選に続く、日本代表での猛虎バッテリーコンビ。藤川が登場する場面をつくり上げたのは矢野のバットだった。

 「食らいついていくことだけを考えていた。(中日内野陣が)満塁で前にいてたし、当てれば何とかなるかな、と」。同点の9回1死満塁で、こちらも日本代表の中日・岩瀬の内角直球を左前へ。チームにとって35イニングぶりとなる適時打。矢野がタイムリーを打てば負けない神話も「26」にまで伸びた。前日に引退を表明した野茂とは68年生まれの同い年。高校時代に対戦経験もある。「寂しいけど、アメリカでの経験を野球界に還元してくれると思う」。同じベテラン。しかし矢野にはチームで、そして日本代表でまだまだやるべきことがある。

 19日にも優勝マジックが点灯。北京の地を踏むためにチームを離れるその日まで、藤川と矢野が猛虎に勝利を運んでくる。

 ≪アニキが同点弾≫阪神の主砲・金本が1点を追う7回、先頭で川上の直球を右中間席へ運ぶ同点の16号ソロ。不動の4番が意地の一振りで元気のない打線にカツを入れた。「詰まったけど、よく入った。入ると思わなかった」。リーグ戦再開後、10試合連続2ケタ安打と好調だった打線が一転、不振に陥りかけている。林威助、新井と主軸が離脱。新井はこの3連戦を回避して甲子園で治療に専念することが決まっていた。最近6試合1ケタ安打が続き、うち3試合で零敗。「チームが苦しい時に、なにくそという気持ちで調子を上げていくタイプ」と語る金本が、逆境で持ち前の勝負強さを発揮した。

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