【スポニチスカウト部(19)】白鴎大・福島圭音 天性のセンス 巧打の韋駄天

2023年06月13日 06:00

野球

【スポニチスカウト部(19)】白鴎大・福島圭音 天性のセンス 巧打の韋駄天
打撃の向上が盗塁数につながった白鴎大・福島 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第19回は全日本大学野球選手権出場を果たした白鴎大の福島圭音外野手(4年)。関甲新学生野球リーグに現れた韋駄天(いだてん)が、ドラフト戦線を駆け抜ける。 【ドラフト速報
 走って、走って、走りまくる福島が、ドラフト戦線に急浮上した。今春リーグ戦では9試合に出場し、打率・526、20盗塁をマーク。過去最高の成績を残し、大学日本代表候補の選考合宿の参加メンバーにも選出された。

 「全てがうまくいったような感じがあった。自分の野球人生の中で一番良いシーズンになりました」

 1試合2つ以上という驚異的な盗塁数は天性のセンスが生み出す。福島の出塁時には、スタートの判断が選手に任される「グリーンライト」。盗塁を仕掛ける基準は投手の「雰囲気」で決める。「右ピッチャーだったら背中を見ていたら分かる。思った時に行く。そこを教えてと言われても教えられない」と独特の感性で塁を盗む。

 小さい頃から「鬼ごっこで捕まえられないくらい」と足が速かった。現在は50メートル走5秒8。一塁到達タイムは3秒台後半をマークするアマチュア球界トップクラスの俊足の持ち主だ。だが、その黄金の足、スタートを切れる盗塁センスをもっていても、出塁しないと始まらない。5割以上の打率を残したからこそ、盗塁の機会は増えた。今季は「コマのように回るイメージで」と打撃フォームを改良。頭のブレがなくなったことでボールを捉える確率が上がり、ハイアベレージにつながった。

 越えなければならない大きな壁がある。9連勝で春季リーグ優勝を決めた上武大との最終戦では、今秋のドラフト1位候補に挙がる捕手・進藤に盗塁を阻止された。昨年は侍ジャパン大学日本代表に選出され、日の丸を背負った強肩捕手の鉄砲肩を体感。「なかなかデカい壁です。次は決めようと思います」。秋季リーグ戦では大きな壁を越え、プロの世界に飛び込む。(柳内 遼平)

 ≪大学日本代表候補合宿 昨年は矢沢が5秒98≫大学日本代表候補の合宿では、機械測定による50メートル走の測定が行われる。昨年6月の平塚合宿では、日体大の矢沢(現日本ハム)が5秒98を記録して参加選手1位。昨年12月の松山合宿では今秋のドラフト候補に挙がる山梨学院大の外野手・宮崎が、参加選手最速の5秒91を叩き出した。6月17日から3日間行われる選考合宿。異次元の盗塁数を記録した福島が、いったいどんなタイムをマークするか注目だ。

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