ノースアジア大明桜 豪雨災害乗り越え2年ぶりV! 7回に土田のタイムリー二塁打で逆転

2023年07月28日 05:00

野球

ノースアジア大明桜 豪雨災害乗り越え2年ぶりV! 7回に土田のタイムリー二塁打で逆転
<ノースアジア大明桜・秋田商>優勝の瞬間、喜びを爆発させるノースアジア大明桜の選手たち(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権秋田大会決勝   秋田県立 ( 2023年7月27日    ノースアジア大明桜5―2秋田商 )】 青空の下、全国で定番になった「盛り上がりが足りないっ!」の応援に両校のスタンドが沸いた。6回を終えて2点のビハインド。それでも、ノースアジア大明桜の土田亮太(3年)は「こんな楽しい時間は当たり前じゃない。大切にしよう」と一瞬をかみしめた。
 7回を3者凡退で切り抜けると、その裏、2死満塁が訪れた。土田が右越えへ3点適時二塁打を放ち逆転。チームテーマの「笑顔」を輝かせた。4番・吉川新汰(3年)も2点打で続き一挙5得点。2年ぶり11度目の夏の甲子園出場を決めた。

 7月中旬、秋田を記録的豪雨が襲った。最も警戒レベルの高い「緊急安全確保」が発令され、住宅被害は1000棟を超えるなど大きな爪痕を残した。

 天災に対しても、野球部は校訓の「情熱と闘志で最善を尽くす」を体現した。同校がある秋田市内は、豪雨により太平川が氾濫。人の胸の高さまで水位が上がった地区もあった。ある時、校舎前の道路で、浸水した自家用車に1人の高齢男性が取り残された。発見した2人の部員は「最善」を尽くし救助に成功。ともに、今夏はベンチ入りできなかったが、輿石重弘監督は「困っている人を助けられたのは凄い」と勇気ある行動を称えた。

 背番号20の外野手・小山田翔(かける=3年)の同市内にある実家は浸水で引っ越しを余儀なくされた。最速147キロ右腕のエース・難波佑聖(3年)は「野球をしている場合じゃない」と迷ったこともある。だからこそ、土田は「野球で少しでも勇気を与えたい」と躍進を思い描いた。(柳内 遼平)

 ≪吹奏楽部も栄冠 聖地で金賞の音色を≫野球部と同時に、吹奏楽部も栄冠を手にした。秋田県吹奏楽コンクールが開催されたことで、吹奏楽部はスタンドでの応援演奏に参加できず。OBが主体となった約15人の演奏隊が、選手に音色を届けた。12校が参加したコンクールでは見事に金賞を受賞。野球部が出場を決めた甲子園大会では吹奏楽部による応援演奏が復活する予定で、決勝打を放った土田は「応援に応えられるようなプレーで日本一になりたいと思います」と心待ちにした。

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