【落合×赤ヘル対談】山本浩二氏「イチローの肩に匹敵するくらい」　胸張った開幕2戦目の美守

2023年08月15日 17:00

野球

【落合×赤ヘル対談】山本浩二氏「イチローの肩に匹敵するくらい」　胸張った開幕2戦目の美守 — 収録に臨む落合博満氏（左）と山本浩二氏（撮影・沢田明徳） Photo By スポニチ

　現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏（69）が15日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。「博満の部屋」の第3回目として、プロ野球歴代4位の通算536本塁打を放ち、“ミスター赤ヘル”と称された山本浩二氏（76）をゲストに招いて対談を行った。

　浩二氏は地元の広島県立廿日市高から法大に進学。投手から2年春に外野手転向を松永怜一監督に言い渡され、富田勝氏とともに徹底的に鍛えられた。2年秋から先発出場が増え、3年からレギュラーに定着。田淵幸一氏、富田勝氏とともに「法政三羽ガラス」と称され、3人は68年のドラフト会議で1位指名を受けた。浩二氏は広島、田淵氏は阪神、富田氏は南海から1位指名された。

　入団1年目の1969年は120試合に出場し、打率.240、12本塁打、40打点で9盗塁の成績を残した。「まず、守備からよ。めちゃくちゃ肩強かったんだよ、ワシ。イチローが出てきたじゃない？イチローの肩、あれに匹敵するくらいの肩の強さだった」と守備から信頼を得ていったことを明かした。落合氏も「元ピッチャーですからね」と相づちを打つと「コントロールも良いし、だから、守備の方でまずレギュラーっていう感じやな」と振り返った。

　浩二氏はゴールデン・グラブ賞を10度獲得する守備の達人でもあった。開幕2戦目となる4月13日の中日とのダブルヘッダー第1試合(広島市民)では、その守備で球場をわかせた。「ライトが山本一義さん。（中堅手として）ボールを横取りしてよ、バックホームに投げて、ノーバウンドでアウト。ランナーは江藤(慎一)さん。で、タッチアウトしてそこで球場がワーっと沸いた」と振り返った。7回1死一、三塁。木俣達彦さんの打球が右中間へ上がったが、山本一義氏が捕球体勢に入った前で捕り、振り向きざまに本塁へノーバウンド返球。タッチアップした三塁走者の江藤慎一氏を本塁の2、3メートル前でアウトにした。

　広島の練習量も12球団で群を抜いていた。「山本浩二が入った、衣笠(祥雄)がいる、三村(敏之)がいる、水谷(実雄)がいる。水沼(四郎)もそうだし、こういう連中を鍛えて何年後かに優勝を争えるチームにしようというスタッフミーティングがあったらしいのよ」と浩二氏。根本陸夫監督のもと、広岡達朗一軍守備コーチ、1970年には関根潤三氏がヘッド格として1軍打撃コーチに就任。徹底的に鍛えられた。

　「入ってきて2年間、それこそゲームがある日もめちゃくちゃ鍛えられてんの、我々若手が。ゲームではあんまり成績良くないけど、(厳しい日々を)2年間、1年中オフもなくて。そういう鍛えられ方したから、後から思えば、優勝できたのも、あの時に鍛えられたから」と語った。

　この話を聞いた落合氏は「広島の練習の伝統っていうのは、そこから始まったんですね」と納得。浩二氏は「そう。そっからなの。キヌ（衣笠氏）とワシが先頭になってやってたもん。練習を終わっても、自分たちの練習をやれば後輩は帰れんじゃない？そういう雰囲気になってきたんよな、チームが」と話していた。