【甲子園】日大三の“トップガン”二宮7打席連続安打 将来パイロット目指す主将が5年ぶり夏2勝導く

2023年08月15日 05:05

野球

【甲子園】日大三の“トップガン”二宮7打席連続安打 将来パイロット目指す主将が5年ぶり夏2勝導く
<日大三・鳥栖工>7回無死一塁、針金の右翼線二塁打で三塁に激走する日大三・二宮(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会第9日2回戦   日大三3―1鳥栖工 ( 2023年8月14日    甲子園 )】 2回戦3試合が行われた。日大三(西東京)は主将で3番に座る二宮士(まもる)内野手(3年)が1回戦から大会記録まであと1に迫る7打席連続安打となる4安打の活躍。鳥栖工(佐賀)を3―1で下す同校5年ぶりの夏2勝に貢献した。また、神村学園(鹿児島)、北海(南北海道)が2回戦を突破し、16強が出そろった。15日は台風7号接近の影響で、大会10日目の4試合は全て16日へ順延された。
 ジェットエンジンを積んでいるかのような痛烈な打球だった。1点を追う初回1死二塁、二宮が左翼線へ同点の二塁打。サイドワインダーの連射のように、バットが止まらない。3回に右前打、5、7回に中前打で初戦から7打席連続安打をマーク。松山商・水口栄二(元近鉄)ら3人が持つ大会記録まであと1に迫った8回は左飛に倒れ「もう1本打ちたかった」。それでも驚異の大会打率・778。「自分のスイングをすれば勝てる」と胸を張った。

 客席で観戦した父・康之さん(45)は航空自衛隊の2佐で北海道千歳基地に勤務。戦闘機・F15J「イーグル」に単身で乗り込み、音速を超えて日本の空を防衛するパイロットだ。100人のパイロットを束ねる隊長の父から「仲間を信じること」とリーダーとしての鉄則を学んだ。6回には8番・森山太陽(3年)が決勝の二塁打、2回途中から救援した安田虎汰郎(3年)は無失点で投げきった。信じた仲間の活躍を「本当に感謝しかない」と誇った。

 父の転勤で石川、宮崎、千葉、沖縄、東京と日本中を渡り歩いた。現在は日大三の寮で暮らし、北海道の父とは遠く離れる。それでも大会前には「自分を信じて打席に立て」と背中を押され、ベンチには父が勤務した小松基地の限定タオルを持ち込み支えにした。

 スタンドで見守った小倉全由前監督、初の甲子園を指揮する三木有造監督に贈った18年以来の夏2勝。名門校の「トップガン」は「飛行機は昔から好きなので自分も乗りたい。父が自衛隊員で、兄も防衛大に通っているので、自分も同じようになりたい」と思い描く。次戦、おかやま山陽が待ち構える「デンジャー・ゾーン」を突破し、アフターバーナー全開で11年以来の優勝へ向け、いざテイクオフ!(柳内 遼平)

 ◇二宮 士(にのみや・まもる)2005年(平17)10月24日生まれ、石川県出身の17歳。新宿中時代は世田谷西シニアに所属。日大三では昨夏の甲子園に出場。高校通算本塁打は15。兄・健さんは防衛大3年。好きな飛行機はF15、F22「ラプター」。悩みは「仲間に飛行機の話ができる人がいない」。1メートル70、80キロ。右投げ右打ち。

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