大谷の心は折れない、千賀から弾丸二塁打 「We want Shohei!」敵地メッツファンもとりこに

2023年08月27日 02:30

野球

大谷の心は折れない、千賀から弾丸二塁打 「We want Shohei!」敵地メッツファンもとりこに
<メッツ・エンゼルス>9回、バットを手に笑顔の大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【インター・リーグ   エンゼルス3-1メッツ ( 2023年8月25日    ニューヨーク )】 心は決して折れない――。右肘の内側側副じん帯損傷で今季中は登板しないエンゼルス・大谷翔平投手(29)が25日(日本時間26日)、メッツ戦に「2番・DH」で出場。メジャー初対決の千賀滉大投手(30)から右越え二塁打を放つなど4打席で出塁し、チームの連敗を4で止めた。申告敬遠時には大ブーイングが巻き起こるなど、敵地ニューヨークのファンの視線を独り占めした。
 試合後、シャワーを浴びた大谷は濡れた髪のまま、口笛を吹きながら着替えていた。勝利に沸くチームを横目に、笑みが浮かぶ。23日の登板後の右肘じん帯損傷公表後、初めての打者出場。今、この瞬間を存分に楽しんでいる様子だった。

 2学年上の千賀とのメジャー初対決。初回は四球。続く3回の2打席目にカット気味に内角低めに沈む変化球を捉え、右越えの二塁打を放った。打球速度115.4マイル(約186キロ)の火を噴くような当たりに、実況のマット・バスガーシアン氏は「ゲンキデス!ショウヘイ・オオタニ!」と絶叫。115マイル(約185キロ)以上の打球はメジャー2位の今季10度目。千賀は「メジャー屈指の打者。うまく(球を)操れなかった」と悔しがった。

 敵地ニューヨークのファンの視線を独り占めにした。5回の2度目の四球でブーイングが飛び、一ゴロに倒れた8回はFAとなる今季終了後を見据えて一部から「We want Shohei!(翔平が欲しい)」コールが起こった。

 9回2死一、三塁でメジャートップ17個目の申告敬遠で歩いた時はこの日一番の大ブーイングだ。メジャートップとなるシーズン11度目の1試合4出塁で、連敗を4で止めるのに大きく貢献。敵地は恒例の「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」と題し、日系コミュニティーとの交流イベントを実施したが、主役は紛れもなく大谷だった。

 このニューヨーク遠征後も打者出場を続けるかどうかは、決まっていない。ペリー・ミナシアンGMは、代理人のネズ・バレロ氏と話し合ったと明かし「セカンドオピニオンを仰いでいるところ。タイムラインはない」と説明。盟友トラウトも「打ちひしがれている。気の毒だ」と沈痛な面持ちだ。打たれた千賀も「僕も含めて、野球好きな人全員がショックな出来事。いい方向に進んでほしい」と話した。それでも、二塁到達時には相手遊撃手リンドアと楽しそうに談笑するなど、大谷は普段通りを貫いた。

 投手での早期復帰のためにシーズン中に18年以来2度目のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切れば、打者でのシーズン完走は消滅する。その答えが出るまで、大谷は全力でフルスイングを続ける。(杉浦 大介通信員)

 ≪日本時代は22の5≫「打者・大谷」と千賀の日本時代の対戦成績は22打数5安打、打率.227、2本塁打、4打点、13三振、1四球。投げ合いは16年9月21日の日本ハム―ソフトバンク戦の一度のみで、大谷は「8番・投手」で出場し8回4安打1失点で白星。打者では6回に千賀から左翼線二塁打を放った。

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