阪神・木浪 プロ初満弾&6打点 少年時代に憧れていたのは…日米通算2705安打を放ったレジェンド

2023年08月27日 05:15

野球

阪神・木浪 プロ初満弾&6打点 少年時代に憧れていたのは…日米通算2705安打を放ったレジェンド
<巨・神>7回、木浪は満塁弾を放ち笑顔(撮影・西川祐介) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神9―6巨人 ( 2023年8月26日    東京D )】 恐怖の8番が試合を決めた。阪神・木浪聖也内野手(29)が26日、巨人戦で1点リードで迎えた7回1死満塁の場面で鈴木康からプロ初の満塁弾を放った。1点劣勢の5回2死満塁では逆転の中前適時打を放ち、キャリアハイとなる自己最多1試合6打点&シーズン最多安打を更新。チームは東京ドームで球団初の6連勝を飾り、夏の長期ロード最多を更新する18勝目で貯金は今季最多更新の「28」だ。月間最多となる19勝も射程圏に捉えた。
 木浪の一撃が、巨人の息の根を完全に止めた。1点リードで迎えた7回1死満塁の4打席目。1ストライクからの2球目だ。鈴木康が投じた高めのスライダーをコンパクトにはじき返した。

 「ああいう場面で打てて良かった。打った瞬間に、いったかもという感じはあった」

 打球が右翼席へ着弾すると虎党は総立ちとなった。今季1号、プロ通算10本目が試合の行方を決める初のグランドスラム。昨年、4月3日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発に満面の笑みがはじけた。チームトップ独走の今季11度目の猛打賞に加え、7月11日のDeNA戦(倉敷)で記録した自己最多の5打点を上回る6打点。まさに“初ものづくし”の1日に「勝利に貢献できているのが一番。それができていることは良いこと」と充実感をにじませた。

 頼りになる男だ。1点を追う5回2死満塁では2番手・船迫の外角スライダーを中前へ運び逆転の2点適時打。この時点で、シーズン自己最多安打を更新する96へ伸ばし、“ここぞ”の場面で、研ぎ澄まされた集中力発揮する背番号0が攻撃陣をけん引し続けた。

 「憧れですね。かっこよくて、ずっとみていました」

 今から約20年前。木浪少年が憧れを抱いた選手が当時、西武の主力として活躍していた松井稼頭央(現・西武監督)だった。02年にトリプルスリーを達成し、04年からはメジャーでもプレー。日米通算2705安打を放ったレジェンド選手のオーラと華やかなプレースタイルに目を奪われた。故郷の青森県で「何回もやっていた」と、ジャンピングスローのモノマネを繰り返し守備が上達した。

 同じ舞台に立った今、「プレースタイルは逆になりましたけど…」と笑う。堅実な守備に加え、「8番」打者としてつなぎ役に徹するプレースタイルは職人肌。それでも、この夜の輝きは、テレビで観た憧れの人に、全く劣っていなかった。

 「恐怖の8番」が3カード連続勝ち越しの立役者となり、チームは球団史上初の東京ドーム6連勝。5月以来となる月間最多の19勝にあと1に迫り、優勝へのマジックを「21」とした。「明日(27日)も取って、いい流れに持っていければ」。余韻に浸ることなく次戦へ目を向ける姿は、実に木浪らしかった。(石崎 祥平)

 《勝利打点はチーム2位》○…木浪(神)が7回、プロ初の満塁本塁打。5回の2点適時打とで1試合6打点は、今季7月11日DeNA戦の5打点を上回る自己最多とした。今季出場104試合中、99試合で先発8番を任され97安打、35打点、打率.296で下位打線を盛り立てる。勝利打点7度は大山の13度に次いで、近本と佐藤輝に並ぶチーム2位。この6連勝中、3度が木浪の勝利打点によるものだ。

 《同一シーズン球団新記録東京D6連勝》○…敵地の東京ドームでは1分けを挟み6連勝で、同一シーズンでは球団新記録となった。

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