阪神・森下 「1番」輝く4連勝M14、近本不在に「自分がカバー」 「一番」行きたい場所は…

2023年09月06日 05:15

野球

阪神・森下 「1番」輝く4連勝M14、近本不在に「自分がカバー」 「一番」行きたい場所は…
<中・神>初回、左安打を放った阪神・森下(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神8ー2中日 ( 2023年9月5日    バンテリンD )】 阪神は5日、中日戦に8―2で勝利し、4連勝で優勝マジックを「14」とした。右脇腹付近の打撲でベンチ入りメンバーを外れた近本光司外野手(28)に代わり、森下翔太外野手(23)が7月17日の中日戦以来の打順1番で先発。初回の先制口火打を含む2安打2得点と躍動した。これで9月は4戦全勝。貯金は今季最多を更新する08年以来の「29」まで膨らんだ。6日の同戦も勝利で飾り、8日からの広島3連戦(甲子園)へ最高の弾みをつける。
 真っさらな右打席が心地いい。7月17日の中日戦以来、50日ぶりにリードオフマンとして起用された森下が大勝劇の主役だ。右脇腹付近の打撲を負った近本が一時離脱。“急場しのぎ”での先発1番ではあるが、貪欲な背番号1は与えられた場所で結果を残すだけ。初回先頭で先発・涌井から左前打。カウント1―2からの5球目、低めのスライダーを叩いた。続く中野の右中間三塁打で生還。電光石火の先制劇だ。

 「近本さんが不在なのは仕方ない。自分がカバーできるように、1番として先頭で出たいなと思っていたので、出られて良かった」

 3得点の口火を切る痛打に、誇らしげに胸を張った。4回先頭でも2番手・上田から中前打。2球で追い込まれながらもフルカウントまで持ち込み、8球目の低めカットボールを逃さなかった。

 「“1番・中堅”というのも(7月に)経験した。少し楽に入った。先頭が安打で出たら点につながる」

 後半戦の指定席は「3番」ながら、1日の敵地・ヤクルト3連戦初戦から「6番」に座った。貧打が続いていた打線のテコ入れに伴う「降格」に発奮し、3試合で3本塁打3打点と躍動。佐藤輝とともに両目下に遮光グリース「アイブラック」を塗る姿も話題を呼び、カード3連勝に貢献した。働く場所が変わっても、そして「アイブラック」を塗らなくても、奮戦の姿勢は一切変わらない。なぜなら森下には、大きな心残りがあるからだ。

 「あれは悔しかったですね。当時一番行きたかった場所なので」

 6月6日、交流戦の楽天1回戦。3点を追う9回2死で代打出場し、松井裕の前に空振り三振に終わった。明らかなボール球を3つ振った姿が岡田監督の逆鱗(げきりん)に触れ、即2軍降格。森下が一番行きたかった場所、次戦の日本ハム3連戦の舞台・新球場「エスコンフィールド」への航空券を失った。

 年齢を重ねても、森下は根っからの野球少年。最新鋭のスタジアムでプレーできる機会を心待ちにしていたからこそ、寸前で鳴尾浜行きを告げられた自分に腹が立った。あれからちょうど3カ月。今は「エスコンフィールド」よりももっと、たどり着きたい場所、見たい景色がある。

 「優勝したい」と常日頃から語る23歳が、目指すべき山の頂へと虎を押し上げている。(八木 勇磨)

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