阪神・岩崎、大竹に日本一の景色を タイトル消してしまった最終戦胸に「見せたいですよね」

2023年10月17日 05:15

野球

阪神・岩崎、大竹に日本一の景色を タイトル消してしまった最終戦胸に「見せたいですよね」
リーグVを喜ぶ大竹(手前)と岩崎 Photo By スポニチ
  阪神・岩崎優投手(32)が18日から始まる「2023 JERA クライマックスシリーズ(CS)セ」のファイナルステージ(S)を前に熱い決意を本紙に激白した。レギュラーシーズン最終戦だった4日のヤクルト戦(神宮)では痛恨の救援失敗で大竹耕太郎投手(28)の勝率第1位の初タイトルが消失。後輩左腕に「日本一の景色」を見せるため、「反骨心」を改めて胸に刻んだ。
 あの日、岩崎は雨に打たれながらクラブハウスへつながる通路を無言で歩き、ひと言も残さず球場を去った。「無言は良くなかったですね。格好悪かったと思います」。どんな時も取材拒否をしたことはなかった中、目の前の現実に打ちひしがれていた。

 レギュラーシーズン最終戦だった4日のヤクルト戦は4―3の1点優勢で9回のマウンドを任された。先発の大竹は5回3失点で勝利投手の権利を持ち、先に試合を終えたDeNA・東は3敗目。逆転での勝率第1位は目前だった。背負ったものが大きい分、2失点での逆転サヨナラ負けは痛恨。大竹にとって6年目での初タイトルは降りしきる雨で流れるように消えた。

 試合後…いや、2日間もの間、岩崎は苦悩したという。

 「ただの失敗だったら切り替えられるけど、人のタイトルを消してしまったわけですから。大竹の勝ちも(6月17日のソフトバンク戦と合わせて)2度消してる。自分はタイトル(最多セーブ)獲ったらいけないだろう、とも思いましたし。2日間、自問自答して…その先も自問自答でしたね」

 数日後、大竹からは「もう切り替えました」という言葉を聞いた。CSファイナルSが18日に迫り、残る戦いへ前を向くことは簡単でなくても、日本一という目標が“マスト”に変わった。

 「せめてもの…ですけど、大竹に最後に(日本一という)最高の景色を見せたいですよね。それも一つのモチベーションになる」

 開幕当初はセットアッパーで、5月から抑えという配置転換をこなし、球団左腕の最多を更新する35セーブ。リーグ優勝の瞬間をマウンドで迎えても、消えない炎がある。プロ10年目でもともし続ける「反骨心」だ。レギュラーシーズンは2試合連続失点で終え、雑音も耳に入る。

 「“岩崎は疲れている”という周りの声をCS、日本シリーズで覆してやります。そこは反骨心ですよね。任されたところですべてを出し切ります」。最終盤で燃えたぎる反骨心で猛虎をてっぺんまで導く覚悟だ。(遠藤 礼)


 【阪神・岩崎 過去のCS登板

 ☆15年 巨人とのファーストS第1戦で2―2の7回から救援し、2回を1安打無失点。

 ☆17年 DeNAとのファーストS第2戦に2番手で1回1/3を2失点。第3戦は0―3の4回から救援しロペスの本塁打を含む3安打を浴びて3失点。チームは2連敗で敗退。

 ☆19年 DeNAとのファーストSで全3試合に登板し、計3回2/3で3失点。巨人とのファイナルS第4戦では1―2からゲレーロに2ランを浴びチームも敗退。

 ☆21年 巨人とのファーストS第2戦で2―3の7回から救援し1失点。

 ☆22年 DeNAとのファーストS第1戦で2/3回を無失点。第2戦以降はヤクルトとのファイナルSを含めて登板機会なし。

 【通算】10試合0勝1敗4ホールド、防御率6.39。
 

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