リリーフ投手の直球の平均球速メジャー1位のフィリーズ、肩、ひじのケガを未然に防ぐ工夫とは

2023年10月17日 11:35

野球

 フィリーズのデーブ・ドンブロースキー編成本部長は速球派がお気に入りでブルペンには速い球を投げる投手を集める。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」によると、今季、リリーフ投手の直球の平均球速は96・3マイル(約154・9キロ)で30球団で最も速い。2位チームに0・5マイル、3位には1マイルも差を付けている。ちなみにナ・リーグ優勝決定シリーズの相手ダイヤモンドバックスのリリーフ陣は19位である。このポストシーズンでも、フィリーズのブルペンの直球の平均速度は97・2マイル(約156・4キロ)と圧倒的、ダイヤモンドバックスは93・7マイル(約150・8キロ)で4マイル近くも差がある。ワイルカードシリーズ、地区シリーズの5試合で97マイル以上は119球で長打は一度も許さなかった。
 ドンブロースキー編成本部長が就任する前の年、20年は平均球速が92・5マイル(約148・8キロ)だったから、大きく変わった。とはいえドンブロースキーはただ速い球を投げる投手を集めているのではない。投手コーチ、トレーニングスタッフ、コンディショニングスタッフを入れ替え、バイオメカニックス部門に巨額の投資をし、食事にも目を光らせ、投手がシーズンを通して投げられるよう工夫している。言うまでもないが、速い球を投げる投手は肩、ひじを痛め、手術を受けることが少なくないからだ。

 だが今季40人枠に入っていた投手で負傷者リストに入ったのは2人だけだった。登板過多にも気を遣っている。フィリーズのブルペンのイニング数は543・1回で30球団で最も少ない。2番目に少ないのはアストロズだった。

 最初から10月に戦うことを意識して起用しているのである。22年、フィリーズのトレーニングスタッフは最も優秀だと表彰を受けている。とはいえ97マイルを投げる投手はそうそうたくさんいるものではない。ドンブロースキー編成本部長は「ジ・アスレチック」の取材に、「5年前は95マイルを投げればエリート投手と言われたが、今はいくらでもいる。今だと97マイルを投げないとエリートとは言えない。見つけるのが大変」と話していた。

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