ロッテ 10回奇跡の3点差逆転サヨナラで突破 17年ドラフト同期・藤岡起死回生3ランから最後は安田

2023年10月17日 05:30

野球

ロッテ 10回奇跡の3点差逆転サヨナラで突破 17年ドラフト同期・藤岡起死回生3ランから最後は安田
<ロ・ソ>10回、岡(右)がサヨナラの生還を果たし歓喜のロッテナイン(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【パCSファーストS第3戦   ロッテ4―3ソフトバンク ( 2023年10月16日    ZOZOマリン )】 パ・リーグのCSファーストS第3戦が16日に行われ、2位のロッテが4―3で3位のソフトバンクを逆転サヨナラ勝ちで下し、2勝1敗で2年ぶりのファイナルS進出を決めた。0―3で迎えた延長10回に藤岡裕大内野手(30)が起死回生の同点3ランを放ち、安田尚憲内野手(24)がサヨナラの右中間適時二塁打。CSの延長回での逆転サヨナラ勝ちは初めて。18日から京セラドームに乗り込み、リーグ3連覇のオリックスに挑む。
 大声援に後押しされ、ファンの夢を乗せた打球が右中間席に飛び込んだ。3点を追う延長10回無死一、二塁。津森の初球148キロの直球を叩いた起死回生のミラクル同点3ラン。藤岡が右手を力強く突き上げた。

 「初球、絶対に真っすぐが来ると信じて、絶対に振ろうと思って打席に入った。最高の形でチームに貢献できて今日は本当に自分を褒めたいと思います」

 勢いは止まらない。2死から岡が左前打で出塁し、最後は安田の右中間二塁打で岡が生還。CS史上初の延長回での逆転サヨナラ勝ちでファイナルS進出を決めた17年ドラフトの2位と1位コンビは祝福のシャワーでずぶ濡れになった。「あの打席は全く記憶がない。本当にチーム一丸となって戦った結果」と安田は興奮気味に振り返り「(藤岡)裕大さんは本当に頼れる人」と6歳上の同期を称えた。

 準備と練習が土壇場で劇弾を呼んだ。藤岡は昨季はケガもあり28試合の出場にとどまった。今季は3月のオープン戦から本拠で試合のある日は必ず、左投げの川崎雄介打撃投手を相手に150~200球の早出特打を欠かさず重ねた。左腕を打つことで右肩が早く開く癖を修正。規定打席には届かずも、打率.277の成績を残した。レギュラーシーズンはわずか1本塁打だったが、地獄の淵からチームを救う狙い打ち。吉井監督は「本当に一発欲しいところで一発で決めてくれた。凄い集中力だと思いました」と大絶賛した。

 苦しんだ分、劇的な勝利でチームのムードは最高潮に達した。「自分たちはチャレンジャー。失うものはない。一つ取れば、可能性が広がると思うので初戦に全てをぶつけるつもりで頑張りたい」と藤岡。05年には勝率2位から、10年には3位でのCS進出から日本一へ上り詰めた元祖・下克上軍団。さあ、ここから3度目の下克上が始まる。(大内 辰祐)

 ≪延長逆転サヨナラはCS史上初≫プレーオフ、CSでのサヨナラ試合は通算15度目。うち、最終回に一気にひっくり返した逆転サヨナラ勝ちは09年第2S第1戦の日本ハム(4点差=9回)、14年ファイナルS第1戦のソフトバンク(1点差=9回)に次ぎ3度目。延長戦ではロッテが初めてだ。また、日本シリーズも含めたポストシーズンでは、66年のシリーズ第5戦で南海が延長14回に2―3から4―3と1点差を逆転して以来57年ぶり2度目。延長戦で2点差以上をはね返した逆転サヨナラ勝ちはロッテが史上初めてだ。ファーストS突破試合でサヨナラ勝ちは04年西武(9回)以来19年ぶり2度目。

 ≪広島・新井監督とそろって新人監督が突破≫新人監督のファーストS突破は今季の新井監督(広)に次ぎ吉井監督が8人目。セ、パ新人監督が同じ年にそろって勝ち上がるのは今回が初めてだ。また、ロッテの新人監督では10年西村徳文監督に次ぎ13年ぶり2人目。同年はファイナルSでソフトバンク、日本シリーズで中日を下し日本一に輝いたが今季はどうか。なお、ロッテのファーストS突破は05、07、10、13、15、21年に次ぎ7度目で、ソフトバンクの6度を抜く最多回数になった。

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