ツインズ番記者の笑顔と優しさに触れたプレーオフ 21年MVPは大谷に投票「今季も難しい決断ではない」

2023年10月18日 08:00

野球

ツインズ番記者の笑顔と優しさに触れたプレーオフ 21年MVPは大谷に投票「今季も難しい決断ではない」
大リーグ公式サイトのツインズ担当パク・ドヒョン記者(撮影・柳原 直之) Photo By スポニチ
 ワイルドカードシリーズを最後に帰国し、一足早くメジャー担当6年目の現地取材が終わった。今季も異国の地で触れた優しさはきっと忘れないだろう。9月22日。ツインズがエンゼルスを下し、ワイルドカード進出を決めた日のことだ。
 試合直後。ツ軍の本拠地ミネソタのクラブハウスではシャンパンファイトが開催された。無頓着な記者は「濡れても大丈夫な服装を着用」以外は特に対策もせず、クラブハウスに続く報道陣の大行列に並んでいると、不意に呼び止められた。

 声の主は大リーグ公式サイトのツインズ担当を務めるパク・ドヒョン記者。透明な使い捨てポンチョ3枚を渡され「他の日本人記者にも渡してあげて!」と言い、屈託のない笑みを浮かべた。

 選手やスタッフがシャンパンやビールを掛け合う中での取材は多量のしぶきが衣服にかかり、びしょ濡れになることもしばしば。秋風が冷たいこの時期のミネソタではポンチョは必須だった。ドヒョン記者にもらったポンチョのお陰で大きな「被害」に遭うことなく、取材は完了。「ありがとう」と改めて感謝を伝えると「困った時はいつでも言ってきて」と再び優しい笑顔が返ってきた。

 韓国生まれ、ミネソタ育ちでネイティブの英語を操るドヒョン記者。実はエンゼルスの大谷が満票でMVPに輝いた21年に、大谷に1位票を投じた全記者30人の内の1人でもある。今季の投票権はMVPではないが「大谷の凄さは投打の成績が物語っている。ア・リーグ本塁打数トップで3冠王も狙えた。さらに最高の投手でもあった。普通ではない。今季もし私が投票するなら難しい決断ではない」と言い切った。

 ドヒョン記者の「大谷愛」は止まらない。「我々は一歩下がり、大谷がいかに特別なことをやっているか理解する必要があるだろう。当たり前になっている感覚があるのかもしれない。例えば昨季のジャッジ(ヤンキース)は本塁打数でア・リーグ新記録を樹立してMVPを獲得したが、大谷も遜色ない成績だった。大谷がMVPを獲得できなかったのはそういった理由があるかもしれない」と熱っぽく語った。

 ワイルドカードシリーズを勝ち上がったツ軍は続く地区シリーズで昨季世界一のアストロズに1勝3敗で敗れ、今季が終了した。ドヒョン記者は自身のSNSに「私はミネソタキッド(ミネソタっ子)。シーズンとプレーオフのストーリーを皆さんと共有できて光栄だった。このチームは本当に良かった」などと熱いメッセージを記した。

 リーグ優勝決定シリーズに進出した4球団以外の26球団は既にシーズンオフに突入。今後の最大の注目はFAとなる大谷の去就だ。その他にポスティングシステムでメジャー移籍を目指す可能性があるオリックスの山本由伸の評価も高く、ストーブリーグは日本選手を中心に展開されることが予想され、メジャー担当記者としても6年間で最も多忙なストーブリーグとなるだろう。ドヒョン記者のような優しさと笑顔、熱い魂を忘れず、信頼ある記事を届けていきたい。(記者コラム・柳原 直之)

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