阪神・村上、球団投手史上初のPS決勝打に「よし!」こん身ガッツポーズ 投げては6回1失点で勝利投手

2023年10月19日 05:15

野球

阪神・村上、球団投手史上初のPS決勝打に「よし!」こん身ガッツポーズ 投げては6回1失点で勝利投手
<神・広>5回、勝ち越しの適時二塁打を放ち雄叫びをあげる村上(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セCSファイナルステージ第1戦   阪神4―1広島 ( 2023年10月18日    甲子園 )】 「2023 JERAクライマックスシリーズ(CS)セ」は18日にファイナルステージ(S)が開幕し、リーグ優勝の阪神は2位の広島に4―1で先勝し、アドバンテージ分を含めて2勝0敗とした。先発の村上頌樹投手(25)が6回3安打1失点と力投し、CS初勝利。打っても5回に決勝の適時二塁打を放ち、投打に躍動した。ポストシーズンでの投手の勝利打点は球団史上初の快挙となった。過去のプレーオフ、CSで2勝0敗としたチームは突破率96・4%。9年ぶりの日本シリーズ進出へ、大きく前進した。
 レギュラーシーズンで最優秀防御率タイトルを獲得した村上が、CSファイナルS初戦では「打者・村上」としても大役を果たした。1―1の5回1死一、三塁。九里が投じた初球を振り抜くと、打球は鋭く右翼線へ転がった。4万2641人の大観衆から割れんばかりの歓声を浴びた背番号41は、二塁塁上でこん身のガッツポーズを決めた。

 「ゲッツーにだけはならないようにと思って、打った瞬間“ヤバい”と思ったけど、抜けて“よし!”と安どした感じでした」

 値千金の決勝打は歴史的な一撃でもあった。阪神投手がポストシーズンで勝利打点を記録するのは、史上初の快挙。7年前、智弁学園3年春の選抜決勝でサヨナラ優勝決定打を放った男が、同じ甲子園を舞台に記録と記憶に残る殊勲打だ。

 初回に自己最速タイの151キロを計測するなど本職の投球では序盤から飛ばし、今季最多タイの3四球を与えながら6回3安打1失点にまとめた。「球場に来てからは緊張しました。(マウンドも)バクバクで上がってました」と苦笑いも、大役を務め上げた。

 物心ついた時から生粋の虎党で、小学生の頃は藤川球児の下敷きを使っていた。故郷の兵庫・淡路島から年1~2回のペースで向かう甲子園での観戦を何よりの楽しみとした少年は、猛虎のローテの軸に成長した今も、その心を忘れずにいる。9月25日の中日戦で今季最終登板。だが、その後も選手寮で、残りのリーグ戦を無意識にテレビ観戦する村上がいた。「阪神ファンなんで見てました。ホンマですよ。(ファンの)気持ちは変わんないです。ずっと応援してきた身なんで」。阪神ファンの心情を誰よりも理解する男が、CSでも聖地のムードを最高潮にした。

 「初戦ですごい緊張感の中で投げられて良かった。しっかり経験として、次の試合であったり、来年に向けてやっていきたい」

 重圧にも打ち勝って上がった、お立ち台。「明日は伊藤将司さんが絶対いいピッチングをしてくれるので、みなさん期待しておいてください」と先輩左腕へ“むちゃぶり”した。「将司さんに“初戦取ったら楽やなあ”ってプレッシャー的な感じで言われたので。でも投げる直前になったら“負けても俺に任せとけ”と…。明日はしっかりやってくれると思います」。少し軽くしたバトンに期待を乗せ、つないだ。(阪井 日向)

 ○…村上(神)が6回1失点で勝利投手。5回には決勝の右翼線二塁打を放った。プレーオフ、CSで投手の勝利打点は、10年ファイナルS第2戦の吉見一起(中)、17年ファイナルS第3戦の井納翔一(D)に続き3人目。阪神では日本シリーズを含めてもおらず、村上がポストシーズンで球団初となった。

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