【記者の目】なぜ西武は1位指名を公表? 重複指名を少しでも減らしたい思惑 4球団以上競合の可能性も

2023年10月25日 05:30

野球

【記者の目】なぜ西武は1位指名を公表? 重複指名を少しでも減らしたい思惑 4球団以上競合の可能性も
国学院大・武内 Photo By スポニチ
 西武は24日、26日の新人選手選択会議(ドラフト会議)で国学院大の最速153キロ左腕・武内夏暉投手(22)を1位指名すると公表した。1位指名の公表は、広島に続いて2球団目。渡辺久信GM(58)は、豊作と言われる今秋の大学生投手の中でも「最も実力がある」と即戦力として評価した。ドラフト本番へ向け、他の10球団が公表に踏み切るかの動向にも注目が集まる。
 異例のメールで1位指名を公表した。なぜか。24日中に「西武は武内でいく」と他球団にメッセージを送りたかったからだ。公表の目的には2種類ある。

 (1)一本釣り狙い
 (2)目玉選手の重複指名を少しでも減らすため

 (1)は「重複のリスクは負えない」と他球団に思わせるクラスの選手を1位公言することで「一本釣り」を狙う。しかし今秋のリーグ戦を経て武内は青学大の右腕・常広とともに評価はトップクラスまで上昇していた。常広を1位指名する広島と、西武が公表に踏み切った理由は(2)。アマNo・1の制球力を備え150キロをマークする左の即戦力。ふたを開ければ数多くの1位指名を集め「武内が主役だった」という状況も想定できる。スカウト会議を残す他球団へのけん制球を投げた。

 昨年は主に(1)の一本釣り狙いで9球団が事前に1位指名を公表した。今年は各球団の補強ポイント次第で中大・西舘、東洋大・細野ら大学生投手に指名が分散する見込みだった。その状況では公言の必要性が薄い。だが、ここに来て西武は「武内の1番人気」を予見。4球団以上の競合となる可能性がある。(アマ野球担当キャップ・柳内 遼平)

 ▽昨年のドラフト会議 10月20日のドラフト会議を前に、巨人は高松商・浅野の1位指名をいち早く9月28日に公表。10月10日にソフトバンクが誉・イヒネを2番目に公表してからは動きが加速し、同11日に西武と日本ハム、同13日に広島、同14日にオリックス、同18日に楽天と続き、会議前日の中日、ヤクルトを含めた9球団が、史上最多の9選手を公表した。非公表で臨んだDeNAは大阪桐蔭・松尾の一本釣りに成功。同じく非公表だった阪神は浅野、ロッテは立大・荘司の抽選に敗れた。

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