コロナで甲子園の夢絶たれた元高校球児 聖地で入場行進 スタンドは拍手&涙、20年夏の“リベンジ”

2023年11月29日 12:06

野球

コロナで甲子園の夢絶たれた元高校球児 聖地で入場行進 スタンドは拍手&涙、20年夏の“リベンジ”
<あの夏を取り戻せ 全国元高校球児野球大会>3年の歳月を経て聖地に足を踏み入れた八重山高校OBナイン(撮影・中辻 颯太) Photo By スポニチ
 コロナ下で甲子園大会が中止となった20年夏に当時高校3年生だった球児による交流大会「あの夏を取り戻せプロジェクト」が29日、阪神甲子園球場で行われ、参加全チームによる入場行進が行われた。
 本番さながらのファンファーレから行進曲に合わせ、元球児らがユニホーム姿で行進。場内には関係者や出場選手の保護者らも駆けつけ、大きな拍手がおくられ、グラウンドの選手らの姿に涙する人もいた。

 20年夏は新型コロナウィルスの感染拡大で甲子園大会が中止。各地方大会も中止となり、甲子園を目指すことすらかなわなかった。各都道府県では独自大会を開催。今大会には当時の独自大会優勝校など全国から45校42チーム約700人が参加した。

 セレモニーに先立ち、午前には甲子園での試合が組まれていない38チームが甲子園で各5分間、シートノックに臨んだ。1組目の八重山(沖縄)OBチームが掛け声とともにグラウンドへ駆け出すと、場内からは大きな拍手が贈られた。神村学園(鹿児島)OBチームは、現在も野球部を指揮する小田大介監督がノック。選手たちも笑顔で聖地を満喫した。

 同年春に中止となった選抜高校野球で選抜されながら出場が叶わなかった天理(奈良)、尽誠学園(香川)などのOB球児も登場した。

 独自大会で優勝した帝京(東東京)は、当時野球部を指揮して21年夏限りで勇退した前田三夫前監督がノック。甲子園通算51勝を誇る名将が久々の縦じまユニホーム姿でノックバットを振った。また同じく独自大会を制した聖光学院(福島)は、現在も野球部を率いて春夏甲子園通算29勝を挙げている斎藤智也監督がノッカーを務めた。

 城西(東東京)野球部でプレーし、今大会の発起人の武蔵野大3年・大武優斗さんは5月に行われた記者会見で「当時球児だった高校3年生の悔しい思いを晴らせたら」と意気込みを語っていた。

 実現に向けては、会場費などをまかなうためのクラウドファンディングを設立。また、ANA、スカパーJSAT、KDDI、運動通信社が特別協力企業として協賛したほか、オープンハウスグループが「スペシャルナビゲーター」として資金面や大会実現に向けて全面バックアップし、計7000万円を調達した。

 29日はこの後、特別試合「松山聖陵-佐久長聖」「関大北陽-倉吉東」の2試合を予定。30日と12月1日は兵庫県内の5球場で交流試合を戦う。大会の様子は「スカパー!」で配信される。

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