阪神・村上、年俸750万円MVP 平成以降最安、新人王とのW受賞で野茂以来33年ぶり史上3人目の快挙

2023年11月29日 05:15

野球

阪神・村上、年俸750万円MVP 平成以降最安、新人王とのW受賞で野茂以来33年ぶり史上3人目の快挙
最優秀選手賞と最優秀新人賞をW受賞した阪神・村上(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 セ界初の快挙だ!プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2023 supported by リポビタンD」が28日、東京都内で開催され、阪神・村上頌樹投手(25)が、セ・リーグ最優秀選手(MVP)と最優秀新人(新人王)をダブル受賞した。同時獲得は80年日本ハムの木田勇、90年近鉄の野茂英雄以来3人目で、セ・リーグ史上初。昨季まで2年間未勝利から大ブレークして球団38年ぶりの日本一に貢献した右腕が、最高の栄誉を手にした。
 過去2年は2軍タイトルの表彰で訪れた舞台。慣れた場所でも、見える景色、送られる視線や拍手は全て違った。開幕前まで1軍未勝利だった村上が、MVPと新人王をW受賞。壇上からの光景を、目に焼き付けていた。

 「両方は想像していなかったですね。びっくりしました。ほかにもたくさんいい選手がいる中で、1番になれたことはうれしい」

 森下から「3年目やからええやろ、1年目に譲れ」と請われていた新人王は、総得票数306票中、285票を集める独走ぶり。「自分はザキ(岩崎)さんかなと思っていたので。まさか自分が獲るとは」と話したMVPは、2位の近本に154点差をつけて戴冠した。MVPと新人王のW受賞は90年の野茂英雄以来33年ぶり3人目。「(野茂の印象は)トルネードの人。生で見たことはないです。セ・リーグでは初なので、そこに名を刻めたことはとても良かった」と目を丸くした。

 1軍登板なしに終わった昨季には、2軍の鳴尾浜球場で「現役ドラフト(要員)か…」と漏らしたことも。くすぶっていた状態から成り上がったきっかけが、今春の青柳との自主トレだ。「フォーム的にはあの自主トレの時から変わっていない。メンタル面が一番変わった。(合同自主トレに)行ったおかげで、こういう結果が出た」。1軍への壁をぶち破って10勝(6敗)を挙げ、防御率(1・75)のタイトルも獲得。新人王&MVPという最高の栄誉とともに「NPB AWARDS」に“帰還”した。

 「昨年までは朝の方(ファームの部)の表彰だったので、今回は夜で。悔しい思いをしていたので、1軍で表彰されて良かった」

 日本一に貢献して祝福される日々が続く中でも「きょうが一番実感しているかもしれない。“ああ、こんなに頑張ったんだな”って」と感慨に浸った。一方で「1年だけじゃなくて2、3年と複数年結果を残せないと意味がない」と決意が強まった一日でもあった。

 交流戦、日本シリーズと計3度投げ合い、3年連続でMVPを受賞した同学年の山本とは壇上でガッチリ握手。「もっともっと肩を並べられるような投手になっていかないと。(山本は)複数のタイトルを連続して獲っているので、自分も複数のタイトルをしっかり何年も獲っていけるように頑張りたい」。メジャーに移籍する右腕に負けじと、球界最高投手への道のりを歩み始める。 (阪井 日向)

 ○…阪神・村上の今季年俸は推定750万円。94年イチロー(オリックス)の年俸800万円を下回る、平成以降では最も安い年俸の選手によるMVP獲得となった。

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