21世紀枠候補校、仙台一の快進撃を支えた学生コーチ 毎朝練習メニューをプレゼンし選手支える

2023年12月09日 05:06

野球

21世紀枠候補校、仙台一の快進撃を支えた学生コーチ 毎朝練習メニューをプレゼンし選手支える
練習メニューの考案から選手を支える仙台一の学生コーチの藤森太壱 Photo By スポニチ
 第96回選抜高校野球大会(来年3月18日~、甲子園)の21世紀枠候補9校が発表され、東北地区からは仙台一(宮城)が選出された。来年1月26日の選考委員会で21世紀枠2校を含めた出場32校が決まる。
 県内屈指の進学校が50年夏以来、選抜は初となる甲子園に近づいた。今秋は宮城県大会3位で東北大会に出場。初戦で強豪・八戸学院光星(青森)に敗れたが、千葉厚監督は「春からの成長を感じた秋だった」と手応えを口にし、「東北の代表に選んでいただきありがたい。さらにいいチームをつくっていければ」と選抜出場を思い描いた。

 指揮官が「あいつが全部を仕切ってくれている」と絶大な信頼を寄せる男こそ、唯一の学生コーチの藤森太壱(2年)。今年4月に悩んだ末に選手を諦め、裏方に回った縁の下の力持ちは「あと一歩のところまで来たのでこのまま選抜に選ばれたい」と厳しい冬の先にある夢舞台への出場権獲得を心待ちにした。

 藤森の戦いは毎日、朝から始まる。登校したら千葉監督の下に放課後に行う練習メニューを考えて提出。投手、内野、外野に分けてそれぞれに合ったメニューを数10分間隔で毎日考えるといい「2、3回やり直してますよ」と笑顔を見せた指揮官。藤森も最初は大変だったと言うが「自分で考える力が付いた。選手からは“もっとこの練習を増やしてほしい”と言われることもあるが、やりたいことだけでなく今できていない練習を多くするようにしている」と時には鬼にもなる。

 秋の戦いでは守備力に課題があると感じ「今は守備を多めにしている」と藤森。「本当は各ポジションごとに練習メニューを分けたい」と新たな考えも明かした。

 千葉監督の下で学び、「いつかは自分も高校の先生になって監督をやりたい」と新たな夢もできた。その前に「今は甲子園でノックを打つことが憧れです。みんながうまくなるようにこれからもサポートしたい」と目を輝かせながら、仲間の成長の手助けを誓った。(村井 樹)

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