水戸一 70年ぶり甲子園へセンバツ21世紀枠候補に 「一球入魂」貫く

2023年12月09日 05:08

野球

水戸一 70年ぶり甲子園へセンバツ21世紀枠候補に 「一球入魂」貫く
センバツ21世紀枠候補の関東・東京地区推薦校に選ばれ笑顔を見せる水戸一ナイン(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 日本高野連は8日、第96回選抜高校野球大会(来年3月18日から13日間、甲子園)の21世紀枠候補9校を発表した。関東地区は「一球入魂」の言葉を残した「学生野球の父」と呼ばれる飛田穂洲氏の母校・水戸一(茨城)が選ばれた。茨城最古の創立145年の全国有数の進学校で、創部133年の伝統を持つ文武両道校。出場2校は一般選考の30校とともに、来年1月26日の選考委員会で決定する。
 「一球入魂」の言葉を胸に水戸一ナインが喜びをかみしめた。21世紀枠候補の9校に名前が挙がった津田誠宗(せいしゅう)主将(2年)は「アップから甲子園レベルを意識してきたけどまたチャンスが広がった。モチベーションになるし、練習にも打ち込みやすくなります」と選手24人の気持ちを代弁した。

 1878年創立で偏差値73の進学校で、進学率も茨城県トップ。野球部OBには「学生野球の父」と呼ばれ、野球殿堂入りした故飛田穂洲(すいしゅう)氏が名を連ねる。早大初代監督でもあり野球に取り組む姿勢を「一球入魂」と表した人物だ。「野球だけじゃなくて、普段の生活にも妥協しないことにつながっていて、グラウンド外でもしっかり体現することでプレーも変わっていくと思います」と津田主将。平日の練習は約2時間、他の部活との兼ね合いで外野に向かった打撃練習は月1、2度しかできないなどの制限を工夫した練習でカバー。さらに帰宅後の勉強までの「一球入魂」と文武両道などが評価された。

 今秋の茨城県大会では、エース小川永惺(ひさと=2年)が最速141キロの直球を武器に30イニング連続無失点など3戦連続完封の奮闘などで4強入り。小川も「うれしいし、野球をやっている以上は甲子園に出たい」と54年夏の甲子園以来70年ぶりの聖地へ思いを新たにした。

 伝説の「早慶6連戦」を指揮した元早大監督の石井連蔵氏もOBで、野球殿堂入りを果たしている。学生野球の原点ともいえる水戸一ナインが、吉報が届くまで「一球入魂」を貫く。(伊藤 幸男)

 ▽21世紀枠 甲子園への出場機会を広げるために01年の第73回大会から導入。練習環境などのハンデ克服や地域貢献など戦力以外の要素も加味する。秋季都道府県大会16強(加盟129校以上の場合は32強)以上を条件に、全国9地区から1校ずつ候補として推薦。来春選抜から1減の2校となる。従来は東(北信越、東海以東)、西(近畿以西)から1校ずつ、残り7校から3校目を選出する方式だったが、来春から東西関係なく2校が選ばれる。

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