江川以来 巨人に阪神ドラ1が移籍 馬場獲得で課題の中継ぎ強化

2023年12月09日 05:30

野球

江川以来 巨人に阪神ドラ1が移籍 馬場獲得で課題の中継ぎ強化
阪神・馬場皐輔 Photo By スポニチ
 【第2回現役ドラフト 】 出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるために昨年から導入された現役ドラフトが8日、非公開でオンラインで開催された。2巡目は実施されず、12球団12選手の移籍が決まり、巨人は阪神から馬場皐輔投手(28)を獲得。阪神のドラフト1位指名選手の巨人移籍は、79年にトレード移籍となった江川卓以来2人目となった。通算106試合登板の右腕で課題の中継ぎ強化を図り、阪神から覇権奪回に挑む。
 巻き返しへのピースに、迷わず指名した。17年の阪神ドラフト1位右腕・馬場を獲得。関係者によると全体の1番目での指名だったという。阿部監督は「実力ある投手を獲得できました。ジャイアンツの一員として、存分に力を発揮してほしい」とコメントした。

 阪神のドラフト1位選手がライバル球団の巨人に移籍するのは、「空白の一日」を経て阪神から巨人にトレードで移籍した79年の江川卓以来、2人目。近年では20年に山本泰寛が金銭トレードで巨人から阪神に移籍した例はあるが、伝統の一戦を戦う両球団での移籍自体が極めて珍しい。

 「巨人の馬場」といえば、55年から5年間在籍したジャイアント馬場(馬場正平)以来2人目となる。「自分にとっても凄くチャンス。ジャイアンツの一員として、伝統の一戦でタイガース相手に全力で勝負する姿をファンの皆さんに見せられるよう、頑張っていきます」と誓った。最速155キロ右腕は今季も19試合で2勝1敗、3ホールド、防御率2・45で18年ぶりのリーグ優勝に貢献していた。

 2年連続4位に終わった巨人は、リーグワーストの救援防御率3・81に沈んだブルペン強化が課題だった。オフにソフトバンクから高橋礼、泉、オリックスから近藤をトレードで獲得。ドラフトは1位・西舘(中大)ら即戦力投手を3人指名した。今季6勝18敗1分けと負け越した宿敵の阪神からも、貴重なピースを引き抜いた。

 阿部監督は「投手中心に、しっかり打つ人が打って、自己犠牲する人はして。一番挑戦したいチーム」と来季の開幕戦で激突する今季王者をライバル視している。就任会見では新語・流行語大賞の年間大賞にも輝いた、敵将・岡田監督が口にする優勝を指す「アレ」を引き合いに「来年はアレではなく、アベでいきたい」と宣戦布告していた。まず1手目で強力なジョーカーを手札に加えた。 (川島 毅洋)

 ▽江川事件 巨人は1978年ドラフト前日の11月21日、前年にクラウンライター(現西武)からの1位指名を拒否した江川と入団契約を結んだと発表。当時の野球協約では交渉期間は翌年ドラフト会議の前々日までと定められており、「空白の一日」を利用して契約を強行した。金子鋭コミッショナーは無効の裁定を下したが、巨人は翌22日のドラフト会議を欠席し、交渉権は1位指名で4球団競合の末に阪神が獲得。金子コミッショナーは12月21日、「まず阪神に入団させてから巨人にトレード」との要望を表明。江川は79年1月31日に阪神と契約を交わし、小林繁とのトレードで巨人入りした。

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