ソフトバンクは現役ドラフトで日本ハムから長谷川を獲得 左のリリーフ強化 水谷は日本ハムへ

2023年12月09日 06:00

野球

ソフトバンクは現役ドラフトで日本ハムから長谷川を獲得 左のリリーフ強化 水谷は日本ハムへ
長谷川威展
 出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する現役ドラフトが8日、非公開で開催された。各球団は2人以上を対象選手として挙げて、各球団がリストから最低1人を指名。今年も2巡目は実施されず、12球団12選手の移籍が決まった。ソフトバンクは日本ハムの長谷川威展(たけひろ)投手(24)を獲得。今季イースタン・リーグで8勝を挙げて最多勝に輝いた左腕の獲得でブルペン強化を図る。
 昨年はソフトバンクから阪神へ移籍した大竹、DeNAから中日に加入した細川が大ブレークした現役ドラフト。ソフトバンクは今年のリストの中から投手、もしくは二遊間を守ることができる内野手の獲得を目指し、最終的には日本ハムのサウスポー・長谷川を指名した。

 長谷川はプロ2年目の今季イースタン・リーグで34試合に登板して、8勝0敗、防御率3・00の成績を残して最多勝に輝いた。先月28日に都内で開催されたプロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS」では「1軍の表彰式に出たい。1軍でもしっかり最多勝利のタイトルを狙わないといけない」と来季の飛躍を期していた。

 投球フォームが今季までDeNAでプレーしたエスコバーに似ていると評される変則左腕で直球、スライダーを武器にしている。今季は1軍でも9試合に登板。9月17日のソフトバンク戦では3番手で登板し、1回を無安打無失点に抑えた。宝刀スライダーでリチャード、周東から空振り三振を奪っている。1、2軍で計50回1/3を投げて被本塁打0と安定した投球を見せた。

 チームは今オフに17~22年に6年連続で50試合以上登板した嘉弥真を戦力外(ヤクルトへ移籍)とした。近年は左の中継ぎエースとしてモイネロが君臨したが来季は先発へ転向する方向。左の中継ぎが手薄になっている状況で、長谷川の獲得で強化ポイントを埋める準備ができた。

 三笠杉彦GMは「大竹君、細川君と活躍している選手を見て、全体の印象としては、積極的に選手を出す球団が増えたというイメージがある」と今回の現役ドラフトを振り返った。獲得した長谷川には「左のスリークオーターで中継ぎとしてね。われわれのあまり層が厚くないところなので、チャンスがあると思っている」と期待を寄せた。 (森 寛一)

 ◇長谷川 威展(はせがわ・たけひろ)1999年(平11)8月9日生まれ、さいたま市出身の24歳。和光シニアでプレーした中学時代は上手投げの投手。花咲徳栄では当初野手で2年冬に投手転向。優勝した3年夏の甲子園はベンチ入りできず。金沢学院大から21年ドラフト6位で日本ハム入り。直球、スライダーが武器の変則左腕。1メートル78、85キロ。左投げ左打ち。

 《水谷は日本ハムへ》ソフトバンクからは水谷が日本ハムに指名され、長谷川との事実上のトレードという形になった。水谷はスーツ姿でペイペイドーム内の球団事務所を訪れ、「福岡で活躍したかった気持ちはあるが、チャンスをもらえたことはプラスに捉えたい」と前を向いて語った。

 水谷は来季6年目の大型外野手。1メートル93、99キロの恵まれた体格で右の大砲として期待されてきたが、外野の壁が厚く、これまで1軍出場はない。今季は2軍で83試合に出場し、4本塁打、35打点、打率.259だった。「日本ハムは若い選手が主力として出ているイメージ。まずは1軍で出ることをスタートラインにしたい」と新天地に懸ける思いを語った。

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