【筑後鷹】前田純 和田塾をきっかけに、飛躍を期す長身左腕

2023年12月26日 06:00

野球

【筑後鷹】前田純 和田塾をきっかけに、飛躍を期す長身左腕
マジック1の広島戦で先発した前田純 Photo By スポニチ
 1メートル88の長身育成左腕が和田塾で飛躍する。ソフトバンクの前田純投手(23)は3、4軍の非公式戦でルーキーながら11勝で防御率は3・03。2軍ではマジック1と優勝が懸かる9月のウエスタン・リーグ広島戦(由宇)でプロ初先発し、4回1/32失点と好投した。年明けからは長崎で和田毅投手(42)の合同自主トレに参加予定で、日米通算163勝左腕のすべてを吸収する。
 しびれるシチュエーションで得たものは大きかった。前田純はマジック1と優勝が懸かる9月の広島戦で2軍戦初登板初先発。非公式戦で11勝を挙げてチャンスをつかんだ。

 「自分の力をアピールできればと思いましたね」

 5回途中でマウンドを降りたが、2安打6奪三振2失点と力投。援護に恵まれず負け投手にはなったが、「3軍戦で通用した配球が通用しなかったり、バッターの待ち方も全然違って。凄く来年につなげられそうです」と手応えの方が大きかった。

 長身から強気にインコースを攻める投球とチェンジアップが武器。秋季キャンプでは、筑後ファーム施設で指導した米シアトルの最新の野球研究・トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」のスタッフ監修のもと、フォームを解剖。「(右)膝が曲がって、ブレーキ力がない」と下半身の使い方に課題が見つかった。

 ボールに力が伝わっておらず、手投げ気味になっていた。NPB通算55勝で新任の牧田和久3軍投手コーチからも「右の膝が折れるクセがある」と同様のアドバイスをされた。12月上旬には松本晴らと海を渡り、米国の現地施設でも学んだ。「しっかりブレーキをかけることによって、ボールは走る。(右足を)止めることによって“ゴムパッチン”みたいなイメージで投げたいですね」。帰国後も筑後のファーム施設でキャッチボールから意識。壁に向かってシャドー投球を続ける姿があった。

 年明けからはチームメートでパ・リーグ最年長42歳、和田の自主トレに入門する。「長いこと1軍で投げているピッチャー。とんでもないですよね」と憧れの存在だ。他チームからも選手が参加し、よく走り、よく食べる日々が待っている。「食べるのはちょっと不安ですけど、頑張ります」と誓う。野球への取り組みや、投球時の体の使い方などを聞きたいという。

 「1軍までの成長段階で、2軍で結果を出す」と意気込む2年目。毎日が勝負になる。 (杉浦 友樹)

 《ドラ1前田悠加入が刺激》ドラフト1位の前田悠(大阪桐蔭)が加入して前田姓は2人になった。同じ左腕だが、年齢は離れていて置かれている境遇も違う。“まえだまえだ”コンビで1軍のローテーションを務める未来に向けて、「自分が成長すればのイメージ。自分が頑張る感じで」。まずはレベルアップに集中する。

 ◇前田 純(まえだ・じゅん)2000年(平12)6月4日生まれ、沖縄県出身の23歳。中部商ではベンチ入りなし。日本文理大では4年秋にベストナイン。今季は3、4軍の非公式戦で27試合に登板し、11勝4敗1セーブ。背番号167。1メートル88、84キロ。左投げ左打ち。

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