楽天ドラ5・松田 父と二人三脚で開花した遅咲き右腕

2024年01月23日 05:30

野球

楽天ドラ5・松田 父と二人三脚で開花した遅咲き右腕
父からの金言「頭を使え」の文字を刺しゅうしたグラブを手にする楽天・松田 Photo By スポニチ
 【24年版球界新士録(8) 楽天5位・松田啄磨投手】父の教えを胸にプロの門を叩いた。「頭を使え」――。新調したグラブにも刻まれた言葉は、父・浩明さん(56)から何度もかけられてきた言葉だ。
 小学2年で野球を始めてから投手一筋だった。中学時代は名門の枚方ボーイズでプレー。1学年上の世代がロッテ・藤原、広島・小園を擁して全国制覇を果たした一方で、登板機会には恵まれなかった。雌伏の時はなおも続く。公立の大冠に進学後も直球の最速は130キロ台中盤。今でも1メートル86、74キロと細身だが、「体の成長が追いついていなかった」と振り返る。3年夏の大阪大会では4回戦で大阪桐蔭に6回コールド負け。プロへの道は果てしなく遠かった。

 潮目が変わったのは大産大に進学した20年。コロナ禍で全体練習もままならない中、浩明さんとともに徹底的にフォーム改造に取り組んだ。2人でさまざまな投手の動画を見ては良い部分を取り入れ、キャッチボールでフォームを固めた。浩明さんは素人だったが、松田は「その分、考えが柔軟というか、すぐに切り替えができた。父親の理想に、自分が近づいていくという形でした」と回想する。

 自ら「生命線」と語るカーブも習得し、4年春にはリーグ戦で7勝無敗と才能が開花した。「人さし指を立てて投げる。一番握りやすかった」。参考にしたのは、今季から同僚になる岸だった。まだ対面はかなっていないが「とにかく一番最初にあいさつさせてもらいたい」と目を輝かせる。憧れを抱いてきた先輩右腕が、目の前で生きた教材となる。遅咲きの長身右腕には、たっぷりと伸びしろが残されている。(花里 雄太)

 ◇松田 啄磨(まつだ・たくま)2002年(平14)2月26日生まれ、大阪府高槻市出身の21歳。小2から野球を始め、中学時代は枚方ボーイズでプレーした。大冠では甲子園出場なし。大産大4年春にリーグ戦で7勝を挙げて、最優秀投手賞を獲得。1メートル86、74キロ。右投げ右打ち。

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