広島 2軍施設移転計画に着手 2029年末完成予定 松田オーナー「広い土地を活用し…」

2024年01月30日 04:45

野球

広島 2軍施設移転計画に着手 2029年末完成予定 松田オーナー「広い土地を活用し…」
2軍施設移転先となる広島県廿日市市内の「ちゅーピーパーク」内にあるプール施設 Photo By スポニチ
 広島は29日、廿日市市にある2軍「大野練習場」と「大野寮」を移転、新設する計画を発表した。同市内にある中国新聞社所有の「ちゅーピーパーク」の一部土地を購入。最新のトレーニング機能を備え、選手とファンが触れ合える「大野ファーム施設」(仮称)を建設する。28年8月に着工し、29年末に完成予定。同日、同市内のホテルで球団と中国新聞社、廿日市市が連携協定を結んだ。
 現在の2軍大野練習場(敷地面積約8300平方メートル)は、屋内練習場(延べ床面積約2940平方メートル)が1980年、大野寮(同1200平方メートル、36部屋)が84年、トレーニング場(同200平方メートル)が00年に完成。若手選手らの練習拠点となっていたが、老朽化が進む上に敷地が手狭になっており、球団は改修を検討していた。

 会見に出席した松田元(はじめ)オーナーは「現在の施設は敷地の狭さがネック。屋内練習場は手狭で遠投ができないし、ブルペンは3人が投げられるかどうか。いい話をいただいたので広い土地を活用し、選手たちをうまく育て、成長させられる施設をつくっていきたい」と話した。

 移転先の「ちゅーピーパーク」は、現在地から北西約500メートルに位置する。計画によると、敷地内にある「ちゅーピープール」(約2ヘクタール)は今年夏に営業を終え、その一帯の土地を購入。地元自治体がアクセス道路などを整備した上で、28年8月に建設工事に着手、29年末の完成を予定する。施設の建設費は40億円超と見込む。

 新たな拠点は現在の約2・5倍の敷地面積があり、最新機能を備えたトレーニングやリハビリ施設、屋内練習場を建設。若手が暮らす寮の部屋数も50室程度にまで増やす。さらに「うちは育成型のチームだから一番重要」(松田オーナー)として、映像やデータの分析拠点を併設する。

 ファンと選手が触れ合える場をつくるプランもある。屋内練習場では、見学が可能になる動線確保を検討。松田オーナーは、ファンの認知度が高い“大野めし”にも言及し「私たちは大野寮の食事に誇りを持っている。ファンの方に食べてもらう構想もある」と語った。

 大野練習場の改修を計画する球団と、ちゅーピーパークの土地利用を検討する中国新聞社の仲介をした、廿日市市の松本太郎市長は「新しい施設が(廿日市)観光の強力なコンテンツになるのでは。全国のカープファンに愛される施設になってほしい」と期待した。 (江尾 卓也)

 ○…1976年発行の「V1記念広島東洋カープ球団史」には、球団草創期に合宿所として使用した施設が紹介されている。50年、最初に合宿所となったのは三菱重工広島造船所が保有する三菱観音寮。その後は個人所有の貸家・御幸荘、向陽荘を転々としたが、常に資金難がつきまとった。東洋工業(現マツダ)の宿舎を経て58年3月、広島市三篠町に完成した三省寮(三篠寮)で、初めて借家住まいから解放。木造モルタル2階建てで、6畳の和室と3畳の板の間が25部屋。浴場や食堂、雨天投球練習場などもそろっていた。

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