若菜嘉晴氏 捕手の育成に必須な「師弟関係」 リードの習得にアナログな部分は欠かせない

2024年01月30日 05:00

野球

若菜嘉晴氏 捕手の育成に必須な「師弟関係」 リードの習得にアナログな部分は欠かせない
指導するソフトバンク・城島球団会長付特別アドバイザー(左) Photo By スポニチ
 【若菜嘉晴氏 鷹論】その昔は監督が交代すれば、指導方法も変わった。選手側は戸惑いも大きかっただろう。ソフトバンクは組織として変わってきた。これまでは投打の一人ずつだったコーディネーターが確立され、バッテリーや守備走塁部門もできた。より、1軍から4軍までの指導方法が一貫となる。
 100人以上の選手を抱える大所帯だ。昔のように1、2軍だけならば、コーチの個人的な技術で教えられる。ただ、これだけ選手がいれば難しい。だから組織としてホークスはこういうやり方ですよというマニュアルができたのだと思う。

 投手は強い球を投げる、打者は遠くに飛ばすという明確に示すことができるものがある。捕手はどうだろう。リードでいえば同じ投手をどう、活用するか。そのあたりをどう、教えていくのか。スローイング、ブロッキングが良くても、リードは良くならないでは正捕手は育たない。このカリキュラムをどうしていくのだろうか。

 4軍は体力強化、3軍ではスローイング、ブロッキングといった技術面。2軍になってようやくリードというのを教えていかないといけない。データを駆使することも大切だが、捕手のリードという点でいえばコーチとの「師弟関係」のようなアナログの部分はどうしても必要になってくる。

 数字通りいかないのが、野球というスポーツ。人間が投げて守って打つ。本拠地はドームだけど、屋外だと風や気圧もある。自分や相手の体調もある。すべてがいい条件でやればデータ通りになる。そういう意味ではファームで教えるコーチが一番、レベルが高くないといけないのかもしれない。

 城島健司や倉野信次といったメジャー様式を知っている人が増え、小久保監督の右腕となっていく。監督のやり方、考え。現場に近い人がやれば一番いい。こういう制度を作ったのだし、少しずつ、日本のプロ野球の考え方が変わってくるだろう。それは凄く楽しみでもあるし、心配な部分もある。
 (本紙評論家)

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