DeNA・度会 やっと“イチ安打” 対外試合初の快音は師匠ばり曲打ち「うまく前でさばけた」

2024年02月19日 05:30

野球

DeNA・度会 やっと“イチ安打” 対外試合初の快音は師匠ばり曲打ち「うまく前でさばけた」
<D・ロ>8回、度会は対外試合初安打となる右前打を放つ(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【練習試合   DeNA5-7ロッテ ( 2024年2月18日    宜野湾 )】 イチローばりの「曲打ち」で壁をぶち破った。DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21=ENEOS)が18日、待望の対外試合初安打を放った。ロッテ戦の8回1死で、スプリットを右手一本で捉えて右前へ。4試合9打席目での一打は、直筆の年賀状をもらったマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(50)のような巧みなバットコントロールから生み出した。
 まるでバットの先にも「目」がついているかのようだ。8回1死。2球で追い込まれた度会は3球目、135キロの外角スプリットに完全に体勢を崩された。それでも右手一本でボールを捉える。バットのヘッドは返さず、途中で止めたパンチショットのような打ち方。打球は右前へと抜けていった。

 「あのコース、球種でヘッドを返すとファーストゴロになってしまう。落ちる球を意識しつつ直球に差されないイメージで待って、うまく前でさばけた」

 ボールを見る「目」と実際に捉える「手」の連動。日米通算4367安打のイチロー氏の打撃の極意だ。そんな大打者が乗り移ったかのような「曲打ち」。ENEOS時代に練習を共にし、今年の正月は直筆の年賀状までもらった。尊敬してやまない存在。上げた右足を振り子のように動かすフォームの度会は、報道陣に「イチローのよう」と言われると照れながら言った。

 「現役時代の映像はよく見ますし、凄い悪球でもヒットにできる。まだまだイチローさんには程遠いけど、いずれはそういう打撃ができるように」

 度会も自身のバットコントロールは「得意分野」と胸を張る。紅白戦を含めた15打席の61球で空振りはわずか3度。空振り率は驚異の4・9%だ。イチロー同様に選球眼も自信があるだけに、9回2死一塁での見逃し三振は悔しがった。内角直球を自信を持って見逃すも最後の打者に。実戦初の三振に両膝をグラウンドについて肩を落としたが「審判の方の判定は絶対。次はあのコースをどう打つか」と即、切り替えた。

 「疲れがゼロと言えばうそになる」と言いながら、超の付くポジティブ思考を貫く。自身のサインには必ず「ニコちゃんマーク」を添えるなど笑顔も忘れない。だからファンに愛され、打席に入る際には誰よりも多くの拍手を浴びた。途中出場で、6回無死ではあとわずかで本塁打の右翼への大飛球。そして対外試合初安打と、気配は確実に上昇している。

 「1本出たのはうれしいけど、次はどうやったらまた打てるか。もっともっと考えてやりたい」。度会は常に前を向く。未来は前にしかないのだから。(鈴木 勝巳)

おすすめテーマ

2024年02月19日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム