大谷取材を通じて考える質問の仕方 ざっくり?具体的に?

2024年02月19日 16:34

野球

大谷取材を通じて考える質問の仕方 ざっくり?具体的に?
12日、今季初のフリー打撃後に囲み取材に応じる大谷(撮影・柳原 直之) Photo By スポニチ
 ドジャースの大谷翔平投手(29)を日本ハム時代から取材して間もなく11年目のシーズンを迎えようとしている。
 大谷の現代野球を覆す二刀流での歴史的な活躍も相まって、昨年からテレビ出演など私自身が取材を受ける機会も増えた。大谷の周辺取材がコーチや選手、関係者ではなく、現場の同業他社へと広がっている自体が異例で、大谷が野球選手を超越した世界が誇るスーパースターとなっている証ともいえる。

 何度か取材を受けていると、相手が何を求めているか透けるように分かる時がある。否定しても、質問の文言を変えて、少しでも自身が描くストーリーに近づけようとしてくるのが分かる。あまり良い気分はしないが、私も同業他社としてその気持ちが分かる。ただ、嘘はつくべきではない。事実と忖度(そんたく)のない意見を可能な限り話すことをいつも心がけている。

 視聴者や読者に何を伝えたいか、原稿のテーマは何にすべきか。質問者が事前に原稿のストーリーを描くことは決して悪いことではなく、むしろ良いことだと思う。「きょうの投球(もしくは打席)を振り返っていかがでしたか?」。雄弁な選手にはこのざっくりな質問をすることで、まず伝えたいことを話してもらえばいいが、そうでない場合は原稿が成り立たない。

 大谷は後者だが、前者になる時もある。フワッと質問を投げかけることによって雄弁になる時もあれば、より具体的にテーマを掘り下げなければ、事実にたどり着けないこともしばしばある。

 事前に原稿のストーリーを描きつつ、相手の出方によって臨機応変に質問を変えることが、ベストとは言わなくとも、ベターだろうか。決して相手に押しつけてはいけない。謙虚に、実直に、取材に邁進したい。(記者コラム・柳原 直之)

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