阪神・大山 一塁転向で増した存在感、一番大きい家族の存在 亀山つとむ氏に明かした

2024年02月22日 05:16

野球

阪神・大山 一塁転向で増した存在感、一番大きい家族の存在 亀山つとむ氏に明かした
亀山氏(左)と対談する大山(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 阪神・大山悠輔内野手(29)が本紙評論家の亀山つとむ氏(54)と対談し、3つの「つなぎ役」に名乗りを上げた。昨季同様、4番としての試合を決める一打に加え、四球や出塁も重視。打線の核にも、つなぎ役にもなる。また、何事も「やり切ること」を貫き、その姿勢の後輩への継承に意欲。チームメートととも「いいライバル、仲間」としてつながり続け、連覇へと猛進する決意も述べた。 (取材・構成=八木 勇磨) 
 【大山─亀山氏 対談(2)】

 亀山 昨年はゴールデングラブ賞、おめでとう。他の野手からも“大山選手にショートバウンド捕球などでフォローをしてもらえた”という話があった。

 大山 一塁手が捕らないことにはアウトにならないですし、責任感はすごくありました。でもここまで、いろんなポジションをやった経験が昨年1年間、生きたと思っています。矢野監督の下では外野もやりましたが、本当にいろんな経験をさせてもらっていたな、と感じました。

 亀山 外野はどういうところがプラスになった?

 大山 外野をやったことによって“中継がここにいてくれたら投げやすいな”というのが少し分かりました。あとは甲子園の芝のスネーク(転がり方が不規則なゴロ)。あのスネークは、捕ることに必死になるので、少しでも送球のこと考えてしまうと失策してしまうと分かりました。送球への意識が薄まると(中継の)距離感も変わってきます。外野を守った人にしか分からないことは、少しは感じたのかなと思います。

 亀山 なるほど。これまでの三塁から一塁への転向は、違和感はなかった?

 大山 左翼から右翼へのポジション変更は“別のスポーツをやっているのかな”という戸惑いがあったんですが、三塁から一塁への違和感はなかったです。逆に一塁になったらプレーに関わる回数が増えるので、そこでの緊張感は増えました。

 亀山 一塁は圧倒的に走路が荒れている。守る時に気持ち悪さはない?

 大山 もちろんありますが、逆に、より視野を広く持つといいますか、“ちょっとあそこ荒れてるな、ならしておこう”とか、細かく見るようになりました。三塁の時よりも周りを見るようになったのかなと思います。他にも、二塁や右翼の位置、投手が誰なのか…。投手によってはベースカバーが少し遅い選手もいるので、ゴロを捕ったら自分で(ベースへ)行った方がいいのか、逆にトスした方が早いのか…など、考えるようになりました。

 亀山 昨年は1年間、4番で打線を支えた。振り返ってみてどう感じている?

 大山 優勝して、日本一になれたことが一番うれしかったので、それに少しでも貢献できたのかなと思うと、一年間頑張ってよかったと思います。特に優勝パレードは初めてやりましたし、あれだけの人が集まってくれて、喜んでもらえるってなかなかないことだと思うので、改めて、頑張ってよかったなと思いました。

 亀山 オンとオフの切り替えがしっかりできたように見える。

 大山 家族の存在というのが、僕の中で一番大きいです。その日の結果がどんなに良くても悪くても、家に帰る前までにしっかり反省を終えて、家に帰ったらいったん野球は忘れる。もちろん、次の試合に向けての準備はしますが、結果に対しての喜怒哀楽は持ち込まない。そこを決めてやることはできました。これが一人であれば、家に帰ったとき“今日打てなかった…”とずっと落ち込むタイプで、それを次の日にも引きずってましたけど、結婚して、家でご飯を作って待っていてくれる環境に変わった時に、精神面での変化というのが凄くありました。だから、いい時も悪い時も常に“いつも通り”を心がけていました。

 亀山 阪神は人気球団だから、そこのスイッチの切り替えが、一年間を戦う上で、重要なポイントかもしれない。

 大山 一喜一憂しないことです。もちろん打ったら喜びますし、打てなかったら悔しがりますけど、でも、そこで終わらせる。引きずらない大切さというのは、昨年まで7年間、いろいろ経験をして“大事なことだな”と思ったので、そこ(切り替え)をどうしたらいいか、という練習も必要だなとは思いました。後輩にも“こうした方がいいんじゃないかな”や“そういうこと(切り替えの方法)を見つける必要もあるぞ”というアドバイスはできるのかな、と思います。

 亀山 キャンプも実戦が増える時期に入ってきた。今後、どういうところに意識を置いていく?

 大山 連覇するためにどうしたらいいのか。昨年良かったこと、悪かったことがあるので、その悪かったところを克服するキャンプでもありますし、そういう準備を自主トレからしてきています。また一シーズン、戦っていく中で新たな課題がはもちろん出てくると思います。選手は連覇、連覇と言いますけど、それが難しいということはやっている選手が一番感じています。そのためにはまだまだレベルアップしないといけない、と、僕自身もチームも思っています。やることはまだまだあります。=おわり=

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