水戸一が関東大会へあと1勝 選抜では21世紀枠で選出ならずも「全勝して甲子園へ」と夏に燃える

2024年05月02日 19:02

野球

水戸一が関東大会へあと1勝 選抜では21世紀枠で選出ならずも「全勝して甲子園へ」と夏に燃える
藤代との激戦を制した水戸一ナイン(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 【春季高校野球茨城県大会準々決勝   水戸一 7―3 藤代 ( 2024年5月2日    J:COMスタジアム土浦 )】 耐えて、耐えて、耐えて、耐え抜いた。水戸一の先発を任された最速134キロ右腕・古宮寛之(2年)は9回を無失点で投げきるも、スコアレスで延長タイブレークに突入。9回終了時点で古宮の球数は112球。延長に入るタイミングで救援も考えられたが「自分が最後まで行く気持ちで投げていた」とマウンドを譲る気はみじんもなかった。
 絶好の得点機の無死一、二塁から始まる延長タイブレーク。それでも10回表、水戸一の得点はゼロ。古宮は「自分がゼロで抑えればいい」「どこかで打ってくれるだろう」と己を鼓舞し、腕を振った。120キロ台後半の直球、縦に変化するスライダーをコーナーに散らす。10回裏は1死二、三塁と外野フライでもサヨナラのピンチから連続三振でしのいだ。そして、ついに11回表に水戸一打線が大爆発。一挙7得点の猛攻で準決勝進出をかけた一戦が決した。
 
 11回で142球を投げて5安打3失点(自責1)。堂々の完投勝利に木村優介監督は「この春で本当に勝負強くなった。ランナーを背負ってからのボールの質と精度が非常によくなっている印象を受けています」と称賛。関東大会まであと一勝に迫り、古宮も「コントロールが凄くよくなった」と自信を深めた。
 
 今春の選抜で水戸一は21世紀枠出場候補の9校に挙がっていた。選考委員会が開かれた1月26日、「水戸一」は呼ばれることなく、別海(北海道)、田辺(和歌山)が選出された。出場まであと一歩に迫りながら逃した夢の甲子園。木村監督は「僕は“あぁ…”ってなった」とショックは小さくなかった。それでも夏はすぐにやってくる。「選手たちは“勝たないとやっぱりね”という感じだった。子どもたちに救われた部分が凄くありました。子どもたちの方が、この春の結果もそうですけど、本当に強くなっているなと感じます」。指揮官は早々に気持ちを切り替えた選手たちの姿を誇った。

 21世紀枠での選抜選出外となっても古宮は「悲しかったけど(もう1度目指す)モチベーションにできたので、逆によかったです」と言った。最速142キロのエース右腕・小川永惺(3年)は「自分は全勝して甲子園に行きたいと思っていた。夏にもチャンスはある」と底抜けに前向きだった。無念の落選を経て、強くなった水戸一ナイン。夏に栄冠を掴むために1試合でも多く春を戦う。(柳内 遼平)

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