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巨人・阿部監督 涙のV 選手に浸透させた「流れ」読む力と「自己犠牲」の精神 就任1年目で歓喜

2024年09月28日 21:21

野球

巨人・阿部監督 涙のV 選手に浸透させた「流れ」読む力と「自己犠牲」の精神 就任1年目で歓喜
<広・巨>胴上げされる阿部監督(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人8-1広島 ( 2024年9月28日    マツダ )】 巨人が混戦のセ・リーグを制し、2020年以来4年ぶり39度目(1リーグ時代を含めると48度目)のリーグ優勝を果たした。阿部慎之助監督(45)が就任1年目で見事な手腕を発揮した。
 優勝の瞬間、ベンチで喜び合った指揮官。その後グラウンドに出て歓喜の輪に加わると、目は真っ赤。あふれる感情をこらえきれず涙を流した。そして涙をぬぐうと、ナインの手で10度宙を舞った。

 球団史上初の捕手出身監督。投手には「困ったらど真ん中」、打者には「自己犠牲」を求めた。どうやって1点を防ぐか、もぎ取るか。昨年の日本シリーズ第7戦。中大の後輩にあたる阪神・森下が、追い込まれながらバットを短く持ちタイムリーを放ったシーンを見て、この姿勢がチームに必要だと感じた。

 指揮を執る上で最も大事にしたのは「流れ」だった。昨年11月10日。監督初陣となった侍ジャパンとの一戦を前に「失点したら、次の攻撃はワンストライク待ってくれ」とだけ告げた。流れを読むことを、選手に浸透させたかった。

 セ5球団との対戦を終えた時点で「抜けたチームはない」と9月までもつれることは予想していた。5割をキープし勝負の秋へ。大混戦もある意味、想定内だった。

 順風満帆なシーズンだったわけではない。4月は6連勝もあったが、1週間の遠征で一度も勝てなかったこともあった。5、6月は体調不良で休養日に病院にも行った。左腰付近に針を打ってから試合に臨んだこともあった。ベンチでは冷静に振る舞ったが、逆転の連打に我慢できず「べらんめえが出ちゃった」こともあった。

 ミスが出た試合や、勝ちきれなかった試合後には1軍メンバーのグループLINEにメッセージを送り、切り替えて試合に臨むことを伝えた。

 最も流れが変わるのが盗塁死。だから、サインは慎重だった。昨年を上回る59盗塁の内、変化球のタイミングで成功したのが33個もあった。捕手らしく「流れ」を読み、4年ぶりのリーグ優勝に導いた。

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