堀内委員長 沢村賞の選考基準「変える必要がある」 格式は維持も「完投やイニングは少し考えないと」

2024年10月28日 17:00

野球

堀内委員長 沢村賞の選考基準「変える必要がある」 格式は維持も「完投やイニングは少し考えないと」
<沢村賞選考結果記者発表>会見する堀内委員長(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が28日、東京都内で開かれ、2019年以来5年ぶり6度目の「該当者なし」とすることが決まった。
 午後1時開始予定の沢村賞発表が約45分間もずれ込むほど選考は難航。堀内委員長は厳しい表情で「いろいろな意見が出たが、それを一つにまとめるのに時間がかかった。結論から申しますと、一本化が難しく、該当者なしとさせていただきます」と語った。

 委員会内で名前が浮上したのは巨人・菅野、戸郷、ソフトバンク・有原、日本ハム・伊藤、DeNA・東だったという。しかし同賞の選考基準となる7項目中、4項目達成者は巨人・戸郷の1人だけ。3項目クリアがソフトバンク・有原と日本ハム・伊藤、DeNA・東だった。

 投手分業制、先発投手中6日制が定着した現在、時代に即していない同賞の基準見直しが議論されたかについて質問がとんだ。堀内委員長は「それはなかった」としながらも「毎年そうだが、少しずつ手を加えていく必要があるかなとは思っている。しかし大きく変えることはないと思ってもらって結構です。なぜならこれは最優秀投手ではない。これは沢村栄治さんの賞なんです。ですからある程度の格式、威厳というのを持って選考したい。それに挑戦してもらいたいと思っている」と説明した。

 そのうえで「格式を持った規定を維持しつつ、変えられるものは変えていかなければいけないとは思っている。ただ時期的にまだもうちょっとかなと思っている」と私見を明かした。

 選考基準7項目では「10完投以上」と「200投球回以上」のハードルが最も高く、今季は達成者はいなかった。堀内委員長は基準について「実際は変えたくはない。しかし完投とかイニングというところは少し考えないといけない。これだけ分業制になるとなかなか完投は難しい。今年一番多いのは伊藤くんで5(完投)。それが最高なんですよ。時期を見てそういう話し合いになる可能性はある」と締めくくった。

 ▽沢村賞 プロ野球史上初の無安打無得点試合を達成した伝説の大投手、沢村栄治(巨人)を記念し、1リーグ時代の1947年に制定。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる賞で、2リーグ分立の50年からはセ・リーグの所属投手だけが選考対象、89年から両リーグに広げられた。選考基準は(1)25登板以上(2)完投10試合以上(3)15勝以上(4)勝率6割以上(5)200投球回以上(6)150奪三振以上(7)防御率2.50以下の7項目。

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