名人戦最年少防衛の藤井8冠 次はカド番の叡王戦第4局「苦しい状況でも全力尽くす」
2024年05月28日 10:48
芸能
![名人戦最年少防衛の藤井8冠 次はカド番の叡王戦第4局「苦しい状況でも全力尽くす」](/entertainment/news/2024/05/28/jpeg/20240528s000413F2158000p_view.webp)
「きのうは打ち上げの後に自室に戻って少し対局を軽く振り返りました。(就寝は)だいたい12時半くらいだったかと。起床は8時くらい」
――あらためて今期名人戦を振り返ると。
「第1局からさまざまな戦型になり、定跡形ではなく力戦に近い将棋が多かった。これまでと異なるシリーズと感じています。その中で、形勢判断だったり、いろいろ課題が残ったと思います」
――第5局であらためて発見などは?
「封じ手明けに決戦のような順になったんですが、進んでみると当初思っていたほどの成果が上がっていない感じもしたので、そのあたりの判断は非常に難しかったと」
――31日には叡王戦第4局、6月6日には棋聖戦が始まる。どう臨んでいく?
「まずは叡王戦。スコア的には苦しい状況(1勝2敗)になっていますが変わらずに全力を尽くしてと思っています。6月からは棋聖戦も開幕するので、そちらに向けても少しずつ考えていけたらと思います」
――今回の名人戦、各地の開催地についての感想は?
「私自身、行ったところのない場所での対局が多く、とても楽しみにしていました。対局ですとなかなかじっくり観光して、とはならないのですが、食事やおやつ、温泉などを楽しむことができましたし、あらためて訪れたいと思うところばかりでした」
――対局以外で印象に残ったことは?
「(第3局の)羽田空港では対局室から滑走路がすぐ近くに見えて、対局中もよく飛行機が着陸するところを見ていたんですが、なかなか対局中にそういう景色が見えるというのはこれまでもちろんなかったので、非常に新鮮でした」
――昨年の名人奪取と今回の防衛と、心境で違いは?
「今期は内容的に苦しい将棋も少なからずあったので、そのなかで結果を出すことができ、ほっとしたという気持ちが今期の場合は強いと思っています」
――今回戦った豊島挑戦者の印象について。
「序盤から類型の少ない将棋が続き、その中で構想の立て方が積極的な組み立てをされる将棋が多かった。そのあたり参考になると感じましたし、中終盤でもこちらが気づかない手を指されることが多かったと思っています」
――カド番でもメンタルの強さを感じた?
「カド番ということではなく、シリーズを通じて積極的な構想を見せられたと」
――対局などで過密な日程。疲れはとれている?
「対局数自体はそれほど多くないですし、体調などは問題なくやれています」
――今回使用した扇子は七段時代のもの?
「あ、そうですね。おそらくそれを使っています。こだわりとかではなく、扇子は消耗品で、ずっと使っていると少しずつ痛んでしまうので定期的に交換している。今回はたまたまそれを手に取った感じです」
――今シリーズ全局同じものを使用している?
「七段時代に“飛翔”と揮毫(きごう)した扇子だと思います。最近はその扇子を続けて使っており、よく持っていると思います」
――開幕前の揮毫で「初心」としたが。
「最近の将棋界全体として定跡研究が進んでいる状況。一方で今名人戦ではそこから離れてというか、序盤から一手一手考える将棋が続いたので、その点において初心に戻る大切さを感じるところも多かったです」
――次局、31日の叡王戦へのスイッチはもう入った?
「きのうは純粋に名人戦の対局を振り返っていたという感じ。叡王戦第4局はすぐにあるので、きょうからは叡王戦に向けて考えていきたいと思っています」
――今名人戦を通して得たものは?
「今まで指したことのない将棋をこの名人戦の中で5局指して、その局面の捉え方は実際に指してみないと分からないところも多い。そういった点は収穫でした」
――名人というタイトルの重さについて、防衛しての思いは?
「名人は長い歴史があり、象徴的な意味合いも大きい。今回防衛できたのはもちろんうれしく思ってますし、同時に名人にふさわしい将棋をさすにはさらにしっかり取り組んで行く必要があるとあらためて感じました」
――今対局前にはアザラシと交流。なにか動物愛というところで今後思うところは?
「今まで動物と触れ合うことはなかったんですが、今回はすごく良い体験をすることができました。(今後)ペットを飼うといったことは考えていないところです(笑い)」
――アザラシの印象をあらためて。
「こちらの動きに合わせてポーズをとってくれるのはかわいかったというか、対局前にすごくリラックスできたと思っています」