【欧州チャンピオンズリーグ 決勝 リバプール2―0トットナム ( 2019年6月1日 マドリード )】
リバプールは安定した守備とクロップ監督の采配が見事だった。DF4人のうち、CBファンダイクだけでなく、アレクサンダーアーノルドとロバートソンの両サイドも守備が堅固。対人の強さに加えて予測力があり、カバーも的確で、相手の3トップに決定的な仕事をさせなかった。
4バックの守備でポイントになるのはその前の位置。アンカーのファビーニョが相手の攻撃に目を光らせてワンクッション入れ、中盤を制したことで有利に展開できた。前半2分にサラーが先制のPKを決めたが、早い時間のPKはプレッシャーがある。それでもコースを決めて強く蹴ったため、GKにコースを読まれても止められることはなかった。
クロップ監督の采配も巧みで、スピードのあるオリギを切り札として使い、相手が攻めに出てきたところで投入して相手守備ラインの裏を狙った。90分間を通した戦いが勝利に結びついたといっていいだろう。(元ジェフ市原強化部長)