【FA杯4回戦 ブライトン2-1リバプール ( 2023年1月29日 )】
ブライトン・三笘のゴールはFKの折り返しを右サイドで受け、ボールを浮かせながらフェイントをかけて相手をかわし、さらにボールを浮かせたまま、少し切れ込んで右足アウトで決めた。相手がいる中で、ボールを浮かせてキックフェイントを入れるのは、正確なボールコントロールが求められる高度な技術。GKの位置もよく見えており、凄いというほかない。これまでチャンスメーカーとみられていたが「決められる」ことも証明した。
W杯で活躍すれば相手も当然研究してくるが、三笘はそれを上回るように質の高いプレーを見せている。技術の高さは川崎F時代から定評があったが、Jリーグ、欧州、W杯と高いステージで結果を出し続けたことで自信を付けた。自分の技術に磨きをかけ、イメージしたプレーを確実に表現することで、いい循環が起きている。
大舞台での活躍でチームメートの信頼は厚くなり、W杯後1カ月で3ゴールと結果も出したことで、よりパスが集まるようになった。強豪相手に、試合終了間際の重圧がかかる時間帯に劇的なゴールを決めるところは、進化の表れだ。まだまだ成長すると確信している。(川本治=元ジェフ市原強化部長・スポニチ本紙評論家)