【ロンドン五輪 女子決勝トーナメント1回戦 日本2―0ブラジル】立ち上がりの猛攻をしのいで奪った先制弾は見事なゴールだった。相手の集中力が切れた一瞬のスキを見逃さなかった沢の素早いリスタート、それに反応した大儀見の息がピタリと合ったプレーだった。4―1で大勝した4月の対戦でもセットプレーから2得点しており、守備にもろさのあるブラジルをよく研究していたと思う。大儀見は1次リーグでゴールがなく苦しんでいたが、重要な一戦で得点能力の高さを発揮した。
日本はブラジルが3―5―2の布陣を敷くと予想していたようだが、ふたを開けてみればシステムは4―3―3。それでも戸惑うことなく相手の攻撃によく対応できていた。相手のエースのマルタをサイドに追い込み、数的優位を保つことで個人技を封じた。五輪2大会連続得点のクリスチアネにもゴールに近い位置で仕事をさせなかった。ゴール前に単純にロングボールを入れられた時にピンチを招いていたが、最後の場面でしっかりと体をつけて対応できていた。(元ジェフ市原強化部長)