勝みなみ「いやあ、泣きたかったです」

2018年11月19日 00:01

ゴルフ

勝みなみ「いやあ、泣きたかったです」
優勝カップを手に笑顔の勝みなみ(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【女子ゴルフ 大王製紙エリエールレディース最終日 ( 2018年11月18日    愛媛県松山市 エリエールゴルフクラブ松山  6525ヤード、パー72 )】 )首位でスタートした“黄金世代”勝みなみ(20=明治安田生命)が7バーディー、ノーボギーの65をマークし、通算20アンダーで、史上最年少の15歳293日でアマチュア優勝を果たした14年4月のKKT杯バンテリンレディース以来のツアー2勝目、17年のプロ転向以降は初のツアー優勝を飾った。勝と最終組で回った同じ首位スタートの松田鈴英(20=ニトリ)が通算16アンダーで単独2位。同じく首位スタートのアマチュア上野菜々子(18=大阪・東海大大阪仰星高3年)は73とスコアを落とし、通算12アンダーの7位に終わった。賞金女王争いは次週の最終戦、LPGAツアー選手権リコーカップを残し、アン・ソンジュ(31=モスバーガー)の4年ぶり4回目のタイトル奪還が決まった。
 ――プロになって初めての優勝は。

 勝 いやあ、終わるまではきょうはすごい楽しかったんですよ。ラウンド中も。優勝とかも全然意識せずにきのうと同じような気持ちで回れたので、それはすごい良かったなと思うし、ノーボギーだったのでそれもすごいうれしかったですし。そうですね。あとは今シーズン初めての最終日最終組だったんで、それもすごいうれしくて、すごい楽しみにしていたので、その中で優勝できたのもうれしいし、何かもう、うれしいがいっぱいですね。

 ――苦しい時期もありました。涙の優勝なのかなと思いましたが。

 勝 そう、私もそう思ってたんですよ。でも泣かなかったですよねえ。いやあ、泣きたかったです。(笑い)

 ――なぜ、涙が出なかった。

 勝 分かんないですね。でも楽しかったので、きょうは。やっぱ、あとは笑顔で終わりたいっていうのもあったので。うれし泣きもいいんですけど、でも、やっぱり最後は笑顔で。はい。

 ――この4年間は長かったですか。

 勝 あっという間でしたね。もう試合が終わって表彰式やってる時は4年前といっしょの感じだったので、次に切り替わってるみたいな自分がいるので。

はい。1番うれしいMAXの時は(優勝)パットを決めてみんなが待ってるところに行ったあの時だったので、表彰式の時はわれに返るみたいな。結構、冷静でしたね。ものすごいうれしくて取り乱すみたいな風に思ってたんですけど。

 ――楽しかったという話ですが、18番グリーンに上がった時は厳しい表情でした。

 勝 ホントですか。何か、あのパーパット、結構、嫌な距離が残ってたというか、自分の中ではあの距離嫌なんですよ。70センチくらい。やっぱりパーで終わりたいしな。みたいな。

 ――最終組で楽しく会話しながらのラウンドでした。

 勝 (プロ入り)同期の(松田)鈴英がれい「さんとまだアマチュアの(上野)菜々子ちゃんとですね。結構、菜々子ちゃんがいろいろと聞いてくる子で「きょうはすごい勉強したい」っていう風に言ってたので。自分もアマチュアの時、プロのプレーとかそういうのを見て勉強したいなって思ったから、いっしょだなって。だから懐かしいなあって思いました。

 ――優勝を確信したのは。

 勝 17番のバーディーを決めた時ですね。

 ――アマチュア時代の優勝とプロになってからの今回の優勝と1番大きな違いは。

 勝 う〜ん。何ですかね。あんまり違わないですね。気持ちは。

 ――アマチュア時代に優勝して早く次の優勝をというプレッシャーは。

 勝 アマチュアの時は(プレッシャーが)あった時期もありましたね。プロになってから気持ちは本当に楽でしたね。アマチュアは優勝しかないじゃないですか。2位だったら何もないじゃないですか。でもプロだったらお金がもらえるじゃないですか。そこの違いですね。頑張ったら頑張った分だけ返ってくるので。

 ――ぎじゅつてきな部分でこの4年間、変わったところは。

 勝 そうですね。やっぱりショートゲーム。特にパターはホントにうまくなったなって思いますね。ラインのイメージとかもすごくパって決まるようになったし、それってやっぱり試合に出続けていることで得るものだと思うので。

 ――きょうは素晴らしいゴルフでしたが、パッティングのラインが浮かび上がってくるような何かゾーンに入ったような時間はありましたか。

 勝 ないですね。アマチュアの時に優勝して以来、ゾーンに入ったことがないんですよ。ゾーンに入ると結構、それがあるんですけどね。

 ――勝さんのゾーンはどういう現象が起こるんですか。

 勝 私は左上から見た自分が見えるんですよ。見えるはずないのに見えてるようになるんです。感じるっていうか。それを鹿児島の同じところで練習していたプロの人(小田龍一)に言ったらボクもそれだよって言われて。特にショットですね。ショットの時にそうなるんです。自分が自分を見守ってるみたいな。幽体離脱みたいな感じですね。

 ――その瞬間は訪れず。

 勝 はい、訪れずです。アマチュア優勝の前も訪れず。あの時だけです。

 ――ゾーンに入らずに優勝しました。ゾーンに入ったらもっと強くなるのでは。

 勝 分かんないですけど、訪れたらもっと行くのかなあ。う〜ん、行くと思います。はい。

 ――この優勝で目標が変わることはありますか。

 勝 プロになってるので来年もシードを獲ること。あと、宮崎(LPGAツアー選手権リコー杯)に出ること。

 ――リコー杯出場枠ギリギリの賞金ランク25位でこの大会を迎えて優勝。格好いいなあと思いますか。

 勝 エッ、格好いい?。その前がすごく格好悪かったんでプラマイゼロです。

 ――ゴルフをやってて1番辛かったのはやはり今年の夏以降。

 勝 そうですね。しんどかったですね。1番。はい。試合に出たくないなって思う時期もありました。5戦連続予選落ちした辺りです。(日本)女子オープンにも出たくなかったですね。

 ――そういう状況から持ち直した理由は。

 勝 そうですね。やっぱりいろんな方の応援だったりとか。悪い時でもいつも応援してくださる方がいらっしゃるので。あと、母がこう悪い時にずっと支えてくれたので。その時にそれをずっと見ててこのままじゃダメだなって思って自分なりに研究して、キャディーさんとか、母とかと話し合って、何としてでも改善して来年に備えようって。いっぱい考えて練習して相談して。ホントにそのおかげかなと思います。

 ――ショットが悪かった分、それをカバーするためショートゲームが良くなったということはありますか。

 勝 あります。もうあり得ないところに行くんで。試合の中でこうやって打ってみようか、そういうことができたのでそれはこの優勝に生きてると思いますね。

 ――平均パット数は1・7526で2位です。どのようにしてここまで。

 勝 とにかく真っすぐラインを打つ。どのラインも自分の思ったところに真っすぐ出さないと入らないので。1番真っすぐラインが難しいのでしっかり真っすぐラインを真っすぐ打てるように練習しました。1・5メートルとか2メートルくらいの。最初は1メートルくらいからやって徐々に長くしていくのがいいと思います。

 ――5月のリゾートトラストレディースで岡山絵里さんとプレーオフを戦った頃にはもっと早くプロ初優勝できると思ってた。

 勝 はい。優勝できると思ってました。正直。あの時は悔しかったし、でもまあ、また、チャンスは来るなって思ってたので、こんな遅くなるとは思ってなかったんですけど、はい。でも本当に優勝できて良かったです。

 ――同年代の選手が先に優勝して悔しいと思うところは。

 勝 いや、悔しさとかはないですね。(新垣)比菜ちゃんが優勝した時はホントにうれしかったんで。だから比菜ちゃんの時、泣いたから、私、号泣するんじゃないかと思ってたのに、全然、泣かないから自分でもびっくりです。

 ――畑岡さんの存在は意識してる。

 勝 いや、あんまり意識とかないんですよね。やっぱり自分は自分で人は人って感じなんで。

 ――勝さんは主戦場は日本。

 勝 今のところは。はい。

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