レジェンド寺内健の生きざま「学ぶことをやめてはいけない」後進の育成にも意欲

2023年09月01日 19:46

飛び込み

レジェンド寺内健の生きざま「学ぶことをやめてはいけない」後進の育成にも意欲
<飛び込み日本選手権>男子シンクロ板飛び込み決勝、最後の演技を終え、プールに礼する寺内(右)。左は坂井(撮影・木村 揚輔)  Photo By スポニチ
 【飛び込み日本選手権第1日 ( 2023年9月1日    日環アリーナ栃木 )】 男子シンクロ板飛び込み決勝で、日本選手最多タイの夏季五輪6大会出場で今大会を最後に現役を引退する寺内健(43)・坂井丞(31=ともにミキハウス)が計393・45点で優勝し、8連覇を達成。日本選手権では通算34個目のタイトルを獲得し、有終の美を飾った。
 慢性的な左膝の痛みのため、6月に引退を決断したという寺内は、患部にテーピングを巻いた状態で出場。坂井と練習で合わせたのも「こっち(栃木)に来て合わせた」と突貫調整での現役最終戦となったが、演技構成レベルは下げず。来年2月の世界選手権(ドーハ)選考基準点(384点)もクリアしたが、「これから世界選手権に向けて追い込んで準備ができるかといえば、たぶんできない。一番かっこ悪いじゃないですか、“やっぱり出ます”とか」と話した。

 30年あまりの現役生活の一番の思い出には21年の東京五輪を挙げた。96年アトランタ大会を皮切りに、12年ロンドン大会を除き6度目の大舞台。コロナ禍による1年延期、無観客と異例尽くしの自国開催だったが、「丞と一緒に戦えた。無観客だったけど、最後に(関係者やボランティアらの)拍手をいただいたことは、自分にとって一番大きな、うれしい経験だった」と振り返った。

 今後は後進の育成に関わる意向だが、「どんな形が自分にとって、飛び込み界とってベストかは考えたい」と模索する考え。プライベートの面では「家族との時間を増やしたい」と話す一方で、「資格とか取ってみたい。自発的に勉強しないと、する機会がなくなる年齢なので。宅建とか。子供が大きくなった時に質問に答えられるように、自分が学ぶことをやめてはいけないと思う」と、どん欲な姿勢を示したレジェンド。涙はなく、やりきった表情で、第二の人生も全力で突き進む。

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