【レスリング世界選手権】日下尚 自称「凡人」が初五輪 名前の尚はQちゃん由来

2023年09月24日 03:00

レスリング

【レスリング世界選手権】日下尚 自称「凡人」が初五輪 名前の尚はQちゃん由来
男子グレコローマン77キロ級3位決定戦で勝利し、喜ぶ日下尚=ベオグラード(共同) Photo By 共同
 【レスリング世界選手権第7日 ( 2023年9月22日    ベオグラード )】 来年のパリ五輪予選を兼ねて行われ、男子グレコローマンスタイル(GR)77キロ級3位決定戦で、日下尚(22=三恵海運)がウズベキスタン選手をテクニカルスペリオリティー(旧テクニカルフォール)で破り、自身初の五輪代表に内定した。また60キロ級では東京五輪銀メダルの文田健一郎(27=ミキハウス)が決勝進出を決め、2大会連続の五輪代表に内定した。
 東京五輪では銅メダルを 東京五輪時は銅メダルを獲得した屋比久翔平の練習パートナーだった日下が、初出場の世界選手権で一気に表彰台に駆け上がった。3位決定戦では4―0で迎えた第2ピリオド20秒、得意の巻き投げで一気に4ポイントを挙げ圧勝。五輪切符を決め、全身で喜びを表現した。

 「自分を信じて戦った。凡人の僕でも五輪の舞台に立つことを決められた。最高にうれしい」

 自称「凡人」。3歳で競技を始めたものの小中学生時代は目立った成績を残せず、「3歳で始めたことがトラウマだった」という。それでも並行して取り組んだ相撲では全国大会で活躍。土俵で叩き込まれた四股やすり足は、現在も練習や試合前のルーティンで、「相撲スタイル(のレスリング)。前に出るところは生かされている」と胸を張った。

 6月の全日本選抜決勝で破った屋比久は、今でも尊敬する先輩であり、練習パートナー。「ずっと背中を見てきた。超えたいと思っていた選手。たまたま勝っただけで、まだ超えてない」と謙遜するが、その先輩も成し遂げられなかった世界選手権の表彰台は、日本グレコ陣最重量級のメダルでもあった。

 2000年生まれで、シドニー五輪女子マラソンで優勝した高橋尚子から「尚」と命名された、いわば五輪の申し子。「ここからが本当の勝負。今度は表彰台の一番高いところで君が代を聴きたい」。花の都で再び凡人が世界を驚かせる。

 ◇日下 尚(くさか・なお)2000年(平12)11月28日生まれ、香川県出身の22歳。3歳から競技を開始。高松北高―日体大を経て、今年4月から三恵海運所属。19年全日本選抜の72キロ級で初優勝を果たし、同年の全日本も制覇。昨年のU―23世界選手権は77キロ級で銅メダル。1メートル72。好きな食べ物は地元香川名物のうどん。好きな力士は稀勢の里と日体大同期の大の里。

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