ハンドボール男子36年ぶり自力五輪切符 海外組23歳・安平チーム最多10得点

2023年10月30日 05:05

ハンドボール

ハンドボール男子36年ぶり自力五輪切符 海外組23歳・安平チーム最多10得点
パリ五輪出場を決めて喜ぶハンドボール男子の日本代表選手ら(C)JHA/Yukihito Taguchi Photo By 提供写真
 【ハンドボールパリ五輪男子アジア予選決勝   日本32―29バーレーン ( 2023年10月28日    カタール・ドーハ )】 決勝が行われ、日本が32―29でバーレーンに競り勝ち、優勝国に与えられる来夏のパリ五輪切符を手にした。開催国枠以外の自力出場は88年ソウル五輪以来、36年ぶりの快挙。1次リーグを4戦全勝で突破し、準決勝では宿敵・韓国に快勝した。苦杯をなめさせられてきた中東勢や韓国を破り、アジア代表の座を獲得。17年に世界的名将ダグル・シグルドソン監督(50=アイスランド)を招へいして継続してきた強化が実った。
 30年前と正反対の光景が広がった。10月28日、ドーハ。サッカー日本代表が終了間際の失点でイラクと引き分けて初のW杯出場を逃した悲劇の地で“彗星ジャパン”が同じ中東勢を破り歓喜の瞬間を迎えた。試合終了のブザーが鳴ると、死力を尽くした選手たちが涙を流しながら抱き合った。36年ぶりの自力での五輪切符。胴上げで宙を舞ったシグルドソン監督は「我々はアジアのベストチーム。この瞬間はそのことを堪能しましょう」と顔を紅潮させた。

 前半を終えて18―13とリード。後半の序盤に反撃を許して1点差に詰め寄られたが、その後は粘り強く守りリードを保った。GKが奮闘し、坂井は顔面でシュートを防いで阻止。中盤にも中村が7メートルスローを左脚で止めた。攻撃では強豪が集う欧州でプレーする司令塔の安平が7メートルスロー全5本を決めるなどチーム最多10得点。大一番で攻守の歯車がかみ合った。

 日本協会は東京五輪を見据え、17年にシグルドソン監督を招へい。11年にドイツブンデスリーガ最優秀監督賞、15年に世界最優秀監督賞に輝いた世界屈指の名将だ。現役時代はアイスランド代表主将を務め、日本リーグの湧永製薬でもプレー。1勝4敗の11位に終わった東京五輪後も続投し、大型で屈強な選手をそろえた一貫性ある強化を進めてきた。

 今回は身長1メートル90台の選手を8人も招集。日本の持ち味である俊敏性を生かした戦術を採用しつつ、パワーに優れる中東勢を力でもはね返した。大学生を合宿に積極的に呼び、若手の底上げにも注力。東京五輪からの主力に加え、現在は欧州クラブで腕を磨く23歳の安平ら海外組も融合させた手腕も光った。24歳の部井久は「いい選手がたくさんいる。チームとしても自信を持てるメンバー」と強調した。パリ五輪は1次リーグで散った東京五輪の雪辱の舞台。アジア王者として堂々と乗り込む。

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