尊富士 連日の電車道で完勝!単独トップ “荒れる春場所”で7連勝も「集中」

2024年03月17日 04:45

相撲

尊富士 連日の電車道で完勝!単独トップ “荒れる春場所”で7連勝も「集中」
尊富士(右)が寄り切りで湘南乃海を破る Photo By 共同
 【大相撲春場所7日目 ( 2024年3月16日    エディオンアリーナ大阪 )】 初土俵から所要9場所での最速新入幕を果たした尊富士が、1敗の湘南乃海を破ってただ一人全勝を守った。新入幕の7日目終了時単独首位は91年九州場所の貴ノ浪以来33年ぶり、1914年夏場所の両国以来、110年ぶりの新入幕Vも見えてきた。横綱・照ノ富士はこの日から休場、大の里は今場所初黒星。全勝1人と1敗1人を、新大関・琴ノ若ら11人の2敗勢が追う展開となった。
 新入幕とは思えない圧倒的な強さと落ち着きだ。尊富士が立ち合い鋭く当たって左差し右おっつけから2本差すと、自身より44キロ重い187キロの相手を一気に土俵外へ運んだ。連日、電車道での完勝に「しっかり自分の相撲が取れた」と充実感。それでも慢心は一切なく「明日からまた初日の気持ちで。いつケガするか分からないので集中して」と地に足を着けた。

 新入幕の初日から7連勝は、11年技量審査場所の魁聖以来13年ぶり。さらに大の里が1敗に後退したことで、91年九州場所の貴ノ浪以来33年ぶりに、7日目を終えて新入幕が単独首位に立った。

 この日から同部屋の照ノ富士が休場。尊富士は、鳥取城北高の大先輩であり自身も経験した両膝の大ケガを乗り越えた不屈の横綱を「言葉だけではなく行動で示す、生き方が心に響いている」と尊敬してやまない。付け人として同行した昨年の秋巡業中、各巡業先でジムを探しては夜にトレーニングの指導を受けて体を追い込んだ。「キツいけどやるしかない」。その成果はすぐに表れ、わずか2場所で幕下から幕内まで駆け上がった。「横綱と一緒に土俵入りしたい」という夢の実現も近づいてきた。

 横綱に代わって荒れる春場所をけん引する新入幕。日に日に高まる周囲の期待は「意識はしてないけど理解している」という。照ノ富士の優勝パレードで旗手を務めた先場所「自分でもいつか見てみたい」と心に誓った「最高の景色」が快進撃の先に待っている。(前川 晋作)

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