巨人打線お目覚め!チェン攻略で2勝1敗

2009年10月23日 06:00

野球

巨人打線お目覚め!チェン攻略で2勝1敗
<巨・中2>4回無死、バント内野安打を放つ古城
 【巨人6―4中日】巨人打線がようやく目覚めた。22日、中日相手に先制される苦しい展開も、同点の4回に阿部慎之助捕手(30)が勝ち越しソロ。この回打者9人の猛攻で中日の左腕、チェンを攻略した。前日5安打に封じられた強力打線は、終わってみればクライマックスシリーズではセ・リーグ初となる先発全員の15安打と大爆発。対戦成績はアドバンテージも含めて2勝1敗とした。
 相性の良さと、2週間前につかんだ打撃論が、阿部の支えになっていた。同点の4回無死。2―2からチェンが投じた外角スライダーを、左中間席最前列に運んだ。
 「凡打はずっと引っ掛けていたので、逆方向を意識したらうまくいった。(チェンは)リーグを代表する投手。ホームランが打てて良かった」
 今季はチェンに対して17打数7安打、打率・412。5月9日の対戦で放った一発は、この日と同じスライダーだった。力で押してくる投手に対しては、直球狙いで構えることが基本となる。だが、阿部の考えは2週間前に変わっていた。
 今季最終戦となった12日のヤクルト戦(神宮)。由規のスライダーをとらえた一発は、天敵から放った今季初安打だった。「球が速い投手に真っすぐのタイミングで待ち過ぎると、変化球が視界から消えちゃう。“真っすぐは振り遅れて左翼ポール直撃”という感じにしたら打てたんだよね」。直球にめっぽう強いイメージは、9年間で相手に植え付けている。変化球をいかに仕留めるかが、CSのテーマだった。
 完敗を喫した前夜の最終打席。5点ビハインドの9回2死から、浅尾に対して11球粘って四球を選んだ。「お互いに絶対に負けたくないという気持ち。そういうのが出た」と振り返った粘りは、ナインに浸透した。3回、同点の足がかりをつくった坂本、松本の1、2番は2人で22球も投げさせてチェンのスタミナを奪った。原監督は「(前夜の四球は)非常に大きいと思う。あの姿勢は大事。それがつながったんでしょう」と称えた。
 昨年は右肩を負傷してCSには出場できなかった。07年も10打数2安打。CSでは初本塁打初打点。「こういう経験は野球人生で何回あるか分からない。すべてで糧になる」。短期決戦を戦える重みをかみしめた。
 「毎試合負けたら終わりと思ってやっていきたい。その積み重ね」と阿部は言った。アドバンテージを含めて2勝1敗。チームを勢いづける、主将のスライダー討ちだった。

 <古城気迫ヘッドスライディング>巨人・古城が2試合連続マルチ安打。4回は阿部のソロで勝ち越した直後の打席で、一塁線へのバント安打でヘッドスライディングしてチームの士気を高め、5回も中越え二塁打を放った。6回2死一、二塁の二塁守備では、代打・平田のイレギュラーした打球をグラブに当てて中前に抜けるのを防ぐと、すばやく本塁に送球。二塁走者の和田を封殺した。攻守に活躍した33歳は「初戦の負けを引きずったら試合にならない。強い気持ちでやった」と胸を張った。

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