オリ由伸、完璧タカ退治 2年ぶりの完封は圧巻の13K「とにかく勝ちにいく気持ちだった」

2021年04月02日 05:30

野球

オリ由伸、完璧タカ退治 2年ぶりの完封は圧巻の13K「とにかく勝ちにいく気持ちだった」
<オ・ソ(3)> 力投するオリックスの先発・山本 (撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   オリックス2-0ソフトバンク ( 2021年4月1日    京セラD )】 オリックス・山本由伸投手(22)が1日のソフトバンク戦で、13奪三振の快投を披露。自身2年ぶり2度目の完封で今季初勝利を飾った。初回に吉田正が決勝適時打を放ちチームは2連勝で勝率5割に復帰。14年以来7年ぶりに、本拠地開幕カード勝ち越しを決めた。
 121球目。柳田と対じして山本は冷静だった。外角ボールゾーンからストライクに入るバックドアのスライダーで、最強打者を泳がせて遊ゴロ。「三振を取りたかったですけどね」とさらりと言った。19年6月28日の西武戦以来自身2度目の完封で今季初白星。13奪三振の快投だった。

 「先週(3月26日の開幕戦)負けていたので、早く投げたかった。負けることが本当に悔しい。とにかく勝ちにいく気持ちだった」

 初回をわずか7球で3者凡退。4回2死から初安打を許しても揺るがない。最速156キロを計測した直球は終盤でも衰えず、カットボール、フォークも140キロ台後半で高速落下。7回先頭のグラシアルから8回松田まで圧巻の5者連続三振。強力打線を散発2安打に抑える完璧な内容で、中嶋監督も「8回に(継投か)迷ったけど乱れもないし。完全に支配していた」と最大級の賛辞を贈った。

 「真っすぐが強く投げられていた」。進化の要因が直球の改良だ。実は昨季までの直球は魔球だった。フォーシームジャイロと呼ばれる球種に近く、ボールの回転軸が斜めにズレる高速捻転が貫通力を生んでいた。「きれいな縦回転にしました。理想ではなかったんです。悪い時はシュート回転するしカット気味になることもあった。伸びも含めて、より良い直球にしたかったんです」。昨季最多奪三振のタイトルをつかむ土台だった武器を惜しみなく捨てるところに山本の凄みがある。

 2連勝で勝率5割に復帰し、7年ぶりにホーム開幕カード勝ち越しに導く快投劇。球界No・1投手の称号に手が届く存在となった背番号18が、すさまじい存在感を放っている。(湯澤 涼)

 <記者フリートーク・オリックス担当・湯澤涼>

 試合後、一塁側ベンチ裏の一室で取材に応じた山本は「とにかく負けたくない」と何度も繰り返した。開幕投手も務めた22歳の根底には、強烈な負けん気の強さがある。

 「趣味のゴルフで負けても悔しいとは思わないけど、真剣に取り組んでいることは絶対に負けたくないです。野球だけは。初めてボールを握った時なのか、初めてバットを手にした時なのか、忘れちゃいましたけどね、初めて野球に触れた時から、ずっとです」

 そんな山本にとって、12球団最長となる24年連続V逸という惨状は、耐えがたいものがある。「全部勝つつもりでやる」。中5日の登板で思いを込めた121球。チームのために、フル回転する覚悟はできている。

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