ロッテ育成出身2年目左腕・本前 16点援護ありがとう!プロ初登板初先発で初勝利

2021年04月02日 05:30

野球

ロッテ育成出身2年目左腕・本前 16点援護ありがとう!プロ初登板初先発で初勝利
<ロ・楽>初登板、初先発、初勝利の本前(右)を称える井口監督(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ロッテ16ー5楽天 ( 2021年4月1日    ZOZOマリン )】 開幕5連敗でプロ初先発が回ってくるとは思わなかった。ロッテの2年目左腕・本前は「プレッシャーはあった」と言う。ところが前夜は午後10時半に就寝。この日は午後2時からの試合開始だったが「朝8時まで寝られました」。そんな発見で迎えたプロ初登板の朝だった。
 「試合前って、絶対に緊張すると思っていたのに、思ったよりもしなくて…。ちょっと、それに自分がびっくりしました」

 この日の球種は直球、ツーシーム、スライダーだけ。茂木、小郷、辰己に3発を浴び、「3発は人生初です」とプロの凄さを再認識した。3月に育成から支配下登録されたばかり。それでも慌てることはなかった。「大学ぐらいから、どんなときも自分のテンポで投げられるようになった。(プロでも)変わらずにできた」。打線の大量援護に恵まれ、5回5安打4失点でも白星が転がりこんだ。制球力と回転数が高く、打者の手元で伸びるような直球の素質を見込まれてつかんだ舞台で、初勝利をつかんだ。

 札幌光星高では3年春まで控えだった。プロ入りを目指し、猛アピールを目指した北翔大では、4年秋にオープン戦で打球を頭部に受けた。半月以上の入院生活。プロ志望届を書いたのは病院のベッドの上。夢も諦めかけていたが、ロッテから育成ドラフト1位で指名された。同大初のプロ野球選手。「ここからはい上がる」と心に誓った。昨年の新人合同自主トレ。同期入団の佐々木朗が連日注目を集めた。本前は当時を「いつかは自分の方にカメラが向くようにと思って練習していました」と振り返った。育成ドラフト選手がチームのシーズン初勝利を飾ったのは、史上初の出来事。見事な強心臓ぶりだった。

 6戦目での今季初勝利に井口監督も笑顔だ。「もっといい投球ができる。次回はもっと楽しみにしています」。もがき苦しんでいたチームは、苦労人の左腕で息を吹き返した。(横市 勇)

 ≪ロッテ球団初≫育成出身の本前(ロ)が初登板で初勝利。育成ドラフト入団選手のプロ初登板初勝利は、18年8月1日西武戦の大竹(ソ)以来3人目。チームでは初めてだ。また、チームの開幕連敗は5でストップ。開幕5連敗以上をプロ初登板の投手が初勝利で止めたのは、本前が初めて。育成ドラフト入団選手のプロ1勝目が、チームのシーズン初勝利となったのも初だ。

 【本前 郁也(もとまえ・ふみや)】☆生まれ&サイズ 1997年(平9)10月2日生まれ、札幌市出身の23歳。1メートル75、76キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 小3から野球を始め、中学時代は札幌白石シニアでプレー。札幌光星3年夏の南北海道大会は初戦敗退。甲子園出場なし。北翔大では通算14勝。最優秀投手に3度輝き、同大史上初のプロ野球選手。

 ☆支配下登録 19年育成ドラフト1位でロッテ入団。プロ2年目の今年3月14日に支配下登録。監督室に呼び出された際には「悪いこと何もしていないし、もしかして…」と予感的中。

 ☆ファン 少年時代は日本ハムのファンクラブに入会していた。3月17日のオープン戦で日本ハムを相手に登板。「前日はなんか不思議な感じでした」と言いつつ先発で4回1/3を無失点。

 ☆家族 両親と兄2人。

 ☆好物 道産子らしく、カニ。

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