広島・堂林が示したネバーギブアップの心 首位陥落しても3連覇の象徴「逆転のカープ」復活の兆し

2021年04月02日 05:30

野球

広島・堂林が示したネバーギブアップの心 首位陥落しても3連覇の象徴「逆転のカープ」復活の兆し
<広・神>7回2死二、三塁、広島・堂林は左前に2点適時打を放つ(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島3ー6阪神 ( 2021年4月1日    マツダ )】 広島は終盤の反撃及ばず1日の阪神戦に敗れ、連勝は3でストップ。2019年9月15日以来564日ぶりの貯金3を逃し、わずか1日で首位から陥落した。それでも、6点を追う7回に堂林翔太内野手(29)が左前に2点適時打、9回には松山竜平外野手(35)が中越え適時二塁打を放つなど最後まで諦めない姿勢を見せた。
 劣勢でも諦めない。6回を終えて0―6。それでも、打線の集中力は途切れていなかった。逆転には届かなかったものの、佐々岡監督は粘って奪った終盤の3点に前を向いた。

 「6対0と一方的にやられるのではなく、中盤、後半は粘りや諦めない姿勢を出してくれた。スアレスから1点を取った。今季は“最後まで諦めない”と掲げているので、続けていければいい」

 点差に惑わされず、単打を集中させた。7回、天敵の阪神・秋山を攻め立てる。先頭の菊池涼が左前打で出塁すると、続く西川の中前打で無死一、二塁。鈴木誠、松山が凡退するも、暴投で2死二、三塁となった好機を堂林が逃さなかった。カウント2―2からのフォークに反応した打球は、三塁・山本を強襲して左前に転がる2点適時打となった。「チャンスでいい所に飛んでくれた。結果を意識しすぎずに、自分のやるべきことに集中できれば、おのずと結果が出てくると思って頑張りたい」。ナインを鼓舞した反撃の一打は、15打席ぶりの安打だった。

 2―6の9回には、先頭の鈴木誠がスアレスから右前打で出塁。続く松山が強烈なライナーで中堅・近本の頭を越す適時二塁打を放った。今季12打席目での初安打。「1本出て良かった。真っすぐに力負けせずにいけた」と納得した。

 16年からのリーグ3連覇中は「逆転のカープ」と呼ばれた。5位に低迷した昨季の逆転勝利数は13で両リーグ最少。ただし、イニング別得点を見れば、7回75点、8回79点は、いずれも12球団最多を誇っていた。終盤の得点が逆転に結びつかなかった最大の要因は、リーグワーストの救援防御率4・64にあった。今季は同1・62と改善されている。打線が諦めない姿勢を貫けば、逆転勝利も増えてくるに違いない。

 今季敗れた2試合は、いずれも最終回に得点を奪っている。河田ヘッドは言う。「集中力を欠いた打席はなかった。明日に向けていい傾向ではあると思う」。ただでは降参しない赤ヘルが戻ってきた。(河合 洋介)

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