【スポニチスカウト部(20)】亜大・草加勝 無尽蔵のスタミナ誇る最速152キロ右腕

2023年06月20日 06:00

野球

【スポニチスカウト部(20)】亜大・草加勝 無尽蔵のスタミナ誇る最速152キロ右腕
今春リーグ戦で4完封を含む6勝を挙げた亜大・草加 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第20回は亜大の最速152キロ右腕・草加勝投手(4年)。今春、リーグトップの6勝を挙げ、スカウトの評価も一気に急上昇した右腕の魅力に迫る。 【ドラフト速報
 1点あれば十分。今春の草加は、仲間にそう思わせるほどマウンド上で無双だった。東都大学春季リーグ戦で、4完封を含むトップの6勝は全て完投。9回投げきってもほとんと球威が落ちない無尽蔵のスタミナも誇り、先発完投型としてスカウトの評価も急上昇した。飛躍の春を「自信になったし、ストレートをしっかり低めに集められたことが良かった」と胸を張った。

 真剣に取り組んだ打撃投手の経験が、成長を支えた。多い日は300球以上も投げていたが「投げる体力だけでなく、コントロールが良くなった」と、3年春まで続けた打撃投手の経験を無駄にしなかった。ただ投げるだけではなく、打者のスイング軌道から苦手なコースなども考えていたといい「試合でも相手を観察しながら投げられるようになった」と、3年秋は7試合に登板し防御率0・29。最優秀防御率に輝き一気に次期エース候補へと名乗りを上げ、今春の飛躍へとつなげた。

 芽生えたエースとしての自覚も草加を大きくした。創志学園(岡山)時代は、高卒で阪神入りした西純と同学年。「何をやっても勝てないと思っていた。県大会も勝ち上がれば西頼りだったし、自分が大事な試合を任されることもほとんどなかった」と振り返る。だが今は「高校のままではダメだと思い、自分が引っ張っていくという自覚や覚悟はあります」ときっぱり。リーグ戦前に掲げた「プロ入りのために春は5勝したい」という目標も達成し、結果でもチームの顔であることを示した。

 草加自身は6勝を挙げて最優秀投手にも選ばれたが、チームは勝ち点3で3位。プロ入りの前に日本一も掲げる草加は「第2戦が勝てないというのはよく言われていた。自分はやっぱりチームが勝つことが一番うれしい」と、自身に続く“エース”の台頭も待ち望んでいる。 (村井 樹)


 ≪50メートル走5秒8 俊足も「自慢」≫最速152キロを誇る直球と同じように、草加がもう一つ自信を持っていることがある。「なかなか知られていませんが自慢なんです」と笑みを浮かべたのが、50メートル走5秒8の俊足だ。DH制の東都リーグではこの俊足を披露する機会はほとんどないが、秋の明治神宮大会やプロの世界では十分、発揮するチャンスはある。スピードボールだけでなく、「チームでも速い方だと思います」と胸を張った全力疾走にも注目だ。

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