ブルージェイズ大谷誕生へ親会社が本腰の理由 大赤字のNHLとの12年契約終了のタイミングと一致

2023年12月08日 09:17

野球

ブルージェイズ大谷誕生へ親会社が本腰の理由 大赤字のNHLとの12年契約終了のタイミングと一致
大谷翔平 Photo By スポニチ
 ブルージェイズの地元紙「トロント・サン」が、同球団のオーナー「ロジャーズ・コミュニケーションズ(通信事業の上場企業)」が大谷翔平の獲得に本腰を入れている背景についてレポートしている。
 テレビ業界のベテラン関係者が「大赤字を出していたNHLとの12年契約が終わりに近づいている。それと大谷のFAがたまたま一致した。それがなければ始まらなかったかもしれない」と証言したのだ。

 「ロジャーズ・コミュニケーションズ」は10年前、カナダでの独占放映権を得るためにプロホッケーリーグ「NHL」と12年総額52億ドルの契約を結んだ。しかしこれが大変な見込み違いで、毎年巨額の赤字を出した。あと2シーズン、10億ドルを払わねばならないが、それで契約は終了。以後はより安価の地域の放映権はキープしていくものの、カナダでの独占放映権契約は結ばないつもりだ。

 そのタイミングで、大谷がFAになった。大谷の値段は10年総額5億ドルから6億ドルと言われている。これは非常に高額ではあるが、「ロジャーズ・コミュニケーションズ」がNHLとの契約でこの10年間垂れ流してきた赤字に比べると、小さいし、むしろ趣のある面白い投資になる。

 ブルージェイズはカナダのチームで、カナダでは圧倒的に人気があるが、大谷が入れば国際的に人気が高まる。そして傘下の「ロジャーズ・スポーツネット」が放映権を持つブルージェイズの試合の視聴率も上昇する。3月から10月にかけ、オープン戦、公式戦、ポストシーズンゲームの放映で、トータル500時間以上。広告収益も上がる。企業からのスポンサーシップのお金も日本を筆頭に、世界中から集まってくる。3億ドルを費やして、本拠地ロジャーズセンターを改装したばかりだが、高額のプレミアムシートの売れ行きにもインパクトを与えるだろう。

 これまで「ロジャーズ・コミュニケーションズ」はブルージェイズのことにあまり口出ししてこなかった。スポーツ事業はNHLが軸だったからだ。しかしこれからは大谷が入るであろうブルージェイズにシフトしていく。NHLにあと2年間総額10億ドルを払うことで赤字は続くが、その後は大谷ブルージェイズを軸に、黒字への転換が見込めるのである。

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