ドジャース・由伸「ロスに骨埋める」 12年契約の入団会見で「かみました…」大谷名言も“拝借”

2023年12月29日 02:30

野球

ドジャース・由伸「ロスに骨埋める」 12年契約の入団会見で「かみました…」大谷名言も“拝借”
入団会見で笑顔を見せる山本(AP) Photo By AP
 オリックスからポスティングシステムでドジャースに移籍した山本由伸投手(25)が27日(日本時間28日)、本拠地ドジャースタジアムで入団会見を行った。大リーグの投手史上最長であり最高総額の12年3億2500万ドル(約458億円)で契約した右腕は、会見で大谷翔平投手(29)のWBCでの名言「憧れるのをやめましょう」を引用。交渉にも同席してくれた二刀流との最強タッグで世界一を目指すと誓った。
 青いスーツの上着を脱いで、山本は真っ白なドジャースのユニホームを身にまとった。14日の大谷と同じ、球場の中堅後方にある「センターフィールド・プラザ」で行われた会見。英語でのスピーチを終えた25歳は、緊張からか肝心の部分でかんでしまった。「一番いいところでかみました…」。照れくさそうに白い歯を見せた。

 「今日からは本当の意味で憧れるのをやめなけれ…、やめなければいけません。自分自身が憧れてもらえるような選手になれるよう頑張ります」

 3月のWBC決勝の際の大谷の名言「憧れるのをやめましょう」――。その文言をあえて選んだのは、2人での「共闘」を誓う決意表明だった。12日のド軍との交渉の席に大谷が同席。「悔いのない決断をしてね。分からないことがあったら何でも聞いて」と優しさに満ちた言葉をかけられた。胸に響いた。「メジャーでトップの選手。大谷さんがドジャースを選んだのは決断の一つの理由になった」と明かした。

 一方で、自身とド軍の深い縁も感じていた。「大谷さんがもし他のチームを選んだとしても、僕はドジャースを選んでいたかな」。渡米してドジャースタジアムでプレーオフを観戦した経験がある。「僕が19歳の時に前田健太さんが登板した試合を実際に観戦し、メジャーへの思いは凄く強くなった」。その前田も背負った18番を継承し、袖を通した。

 30球団の半数近くが獲得に名乗りを上げ、ヤンキース、メッツ、ジャイアンツなど6球団の激烈な争奪戦となった。山本は「たくさんのチームに熱心に誘っていただいた。選手冥利(みょうり)に尽きる1カ月だった」と感謝した。その中でド軍を選んだのは「勝ちたい、勝ち続けたいというのが自分の中での優先順位。一番近いのがドジャースと感じて決断した」。勝ちたい。これこそまさに大谷と同じ理由。思いは早くも共有されている。

 背番号17の大谷と連番の18番は、3月20日の韓国ソウルでの開幕パドレス戦で開幕投手に抜てきされる可能性もある。年俸の支払いには大谷のような後払いはなく、12年契約ながら6、8年目のオフに契約を破棄できる条項も付いている。それでも山本は会見後、インスタグラムにつづった。「長期にわたる契約をしていただいた。ロサンゼルスに骨を埋める覚悟で、常に挑戦を続けていきます」。日本が誇る最強タッグが来季、大リーグを、世界を席巻する。(杉浦 大介通信員)

 ▽憧れるのをやめましょう 今春WBCの米国との決勝直前、大谷がロッカールームでナインに「憧れるのを、やめましょう。今日一日だけは、超えるために、トップになるために来たんで」と呼び掛けた。鼓舞されたチームは、米国を下して3大会14年ぶり3度目の世界一を達成。侍ジャパンの密着映画では「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」とタイトルになり、新語・流行語大賞の候補30語にもノミネートされた。

 ≪吉田正尚と対戦熱望≫山本は対戦したい打者を聞かれ「吉田正尚選手」と即答した。昨年までオリックスの同僚で、レッドソックスの吉田は1年早くメジャーで活躍しており「対戦するのが凄く楽しみ」。来季は7月19~21日(日本時間20~22日)に本拠地でレ軍3連戦が予定されている。吉田もインスタグラムで祝福=写真。ツーショット写真とともに「対戦が楽しみ。(超大型契約の)富豪さんフォロバさせていただきました笑」と書き込むと、山本も「やっっっっっと正尚さんがフォローしてくれました」と喜んだ。

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